植物生活編集部 植物生活編集部 3週間前

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.19 南国心象


vol.19 南国心象


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 


花と

 

CHAJINさん(以下C)「まだちょっと残暑厳しい時期が続いていると思うんですけど、今回はブーゲンビリアです」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「いいですね~」

C「ちょっとこのアトリエのお隣あたりにも、大きなブーゲンビリアが咲いていたりして」

M「そうなんですか!」

C「そうなんですよ。で、たまーに風に乗ってガレージのところにチロッと落ちてたりして。今年の夏も2、3回そういうことがあって」

M「へぇ~」

C「で、この作品自体はかれこれ10年くらい前になると思うんです」

M「ほぉ~」

C「なんか夏を感じる花のひとつかなって」

M「かわいいですよね、色鮮やかだし」

C「ね。で、今回の写真のは、こう投げ入れみたいな感じで活けたんですけど。まぁ器がちょっとね」

M「変わってますよね」

C「分かります? これがなんだか」

M「なんだろう……。うぅ……醤油かお酒か差したくなるような……(しどろもどろ)」

C「あ、半分当たってる感じ!」

M「半分当たってる!(わーい)」

C「これ、沖縄の“やちむん”。沖縄で焼きもののことを“やちむん”って言いますけど、それのね“カラカラ”っていって泡盛をここに入れて注ぐんですよね。で、中に陶器で作った玉が入っていて、(泡盛が)なくなるとカラカラって音を出してお店の人に『おかわり』って言うという歴史があるみたいで」

M「おぉ~。泡盛専用の注ぐヤツ、みたいな」

C「そうそう。で、僕も自分が泡盛飲みたくて買ったんですけど痛風になっちゃって(笑)」

M「あら……」

C「それで花器になったっていうね(苦笑)」

M「なるほど~、そういうイキサツが!」

C「そうなんです(笑)。でちょっとこの写真だと暗くて分かりづらいかもしれないですけど、(器に)ドットが入っていて」

M「かわいいですねぇ」

C「柄がいろいろ陶工さんによって違うんでしょうけど、これはこの間のヒマワリの回でお話しした“もやい工芸”っていう店でやっぱり買ったんですけど」

M「ほうほう」

C「ちょっと、こうニュアンスがあって。もちろんお酒が好きな人は本来の目的で使ってもらっていいんですけど(笑)」

M「お好みで(笑)」

C「で、以前、沖縄に行ったときにブーゲンビリアが……年明けとか1月とか春の頃だったけどブーゲンビリアが咲いていて。いち早く咲いていたんですかね」

M「へぇ~!」

C「(沖縄に)何回か行ったときも必ずブーゲンビリアが視界に入る風景っていうのがあって、沖縄の陶器に活けるっていう花材をイメージすると、いろいろ浮かぶ中でブーゲンビリアってすごく……僕の中ではイメージの花だったんです」

M「ふんふん」

C「まぁ沖縄も久しく、3~4年行ってませんけど。なんかちょっとそれを思い出してというか、まだ暑さの残っている今時分になんとなく思ってっていうことで、今回はこれにしました」

M「なんだか南国の花っていうイメージがあります、ブーゲンビリアって」

C「そうですよね~」

M「大きい木で、バサーッと咲いているような。でも道端で見るとバサッと旺盛な感じがしますけど、こうやってお花の部分だけになるとちょっと印象が変わるというか。かわいいなって」

C「そうですね~。一輪にフォーカスされるんで、全体の引きで見る風景的なブーゲンビリアの見え方と比べて、もうちょっと花と目が合うというか」

M「はい!」

C「ま、お花はこの白いとこで(笑)」

M「この真ん中のちっちゃいヤツですよね!?」

C「そうです。大多数の人がピンクのところを花だと思いがちですけど(笑)」

M「私も思ってました(笑)。これははじめて知ったとき、すごく衝撃的で。え、コイツが花!?って。今まで花だと思っていたのは殻というか、周りのなにかっていうか……」

C「アジサイなんかもそうですよね」

M「あ、確かに! ガクですよね!!」

C「ね」

M「だからブーゲンビリアの花が咲いているっていうと、この真ん中の白い小さいのが咲いているっていう状態なんですよね。でもこの花が終わった状態でも、割とこの周りのピンクってきれいなままですよね?」

C「あ、そうですね。そういうことで言うとこちらの写真は、ブーゲンビリアをそのまま置いておくとドライになるので。その状態です」



M「おぉ、かわいい!」

C「実は僕は、ブーゲンビリアがドライになるっていうのは前々から知っていた訳ではなくて。たまたま沖縄に行ったときに天然酵母のパンを出すオシャレなカフェみたいなのがあったんですけど」

M「はい」

C「そこの壁面に、そのままダイレクトに切ったブーゲンビリアが掛かっていて。それがドライだったんですよ」

M「おー」

C「で、ブーゲンビリアってドライになるんだなってそこではじめて知って、それから帰って来てその風景を思い出して、ドライになったものを引っ掛けてみてっていうことで」

M「なるほど」

C「こういう生かされ方もね、ちょっと新鮮に思う方もいるかもしれないし。これはこれで本来のブーゲンとは違った……残暑に合うのはもしかしたらこっちかもしれないですけど(笑)」

M「なんだかノスタルジーな感じがしますよね!(笑) 名残みたいな感じの……」

C「うん」

M「すごい色がビビッドに残っていて、いいですね」

C「もともとちょっと乾いた質感だから、割とドライにしやすいのかもしれないですね」

M「ちなみにこのリースの元? 土台になっているのはナンなのでしょうか?」

C「これはよくあるリースベースみたいなのが、クリスマス時期になると花屋さんでも売ってたりしますけど」

M「はい。雑貨屋さんとかでも見かけたりします」

C「あれ、結構厚みがあってゴッツイので、全部バラバラに外しちゃって。それで3~4周できるくらいをピックアップして、ちょっと細いリースにリメイクしたっていうか」

M「ほぉ~~~~!」

C「ブーゲンビリアの花の数も抜け感込みで、これくらいでやりたかったんだけど、それにはちょっとリースベースがゴッツイとバランス的にどうかなって思って」

M「なるほどです~」

C「まぁ、夏ですし、ちょっと薄着にしたって感じですかね(笑)」

M「爽やかに(笑)」

C「活ける方も、ドライの方も、どちらも気軽にできると思うので、よかったらちょっとチャレンジしてみてください~」

M「はい!」



台湾が好きでよく行くんですが
結構街中でブーゲンビリアの巨大な木を見かけます。
その元気さと見事さに圧倒されて
ブーゲンビリアってカッコいいなーって思っていました。
でもこうやって花だけを活けてみると印象がガラッと変わって
なんだか新感覚!
CHAJINさんのおっしゃった
「花と目が合う」という言葉がとても印象的でした。
ということで、ブーゲンちゃんと目を合わせたい~!
と強く思う今日この頃でした!!(byM)

 

鎌倉と、


花火郷愁


夏の終わり頃に開催される町内会のお祭りで、今夏お初となる花火を楽しんだ。
ロケット花火や、火柱が高く燃え上がる派手目なタイプはご近所のお子さんたちに任せ、
手にしたのは心情的に一番しっくり来る線香花火。

チリチリと微かに弾ける火の玉を見つめながら、暫しこの夏を振り返ってみる。

ワイワイと盛り上がっている周りの景色とは裏腹に、
ちょっと切なげな気分にもなりかけたのは、
風もそろそろ秋色に変わり始めているからなのかもしれない。



ときどき茶話、


沖縄花屋


数年前、カミさんの姉夫婦が居酒屋を始めたのをきっかけに、
度々出かけるようになった沖縄。

お店のある読谷村を皮切りに、
これまでずいぶんいろいろな場所へ出かけた。

思い出深い観光スポットも多々あるなか、
案外好きなのは、地元のスーパー。

こちらは、そんなとあるスーパーの中に併設された花(鉢物)屋さん。
場所柄もあってか、置かれている鉢も南国フィーリングなものが多かった印象。

訪ねた時も、色とりどりのとても目を惹くブーゲンビリアがたくさん並んでおり、
思わず片っ端から買いたい衝動にかられかけたのだけれど、
旅の途中ということもあって、泣く泣く諦めたのだった……。

彩り鮮やかなブーゲンを見かけると思い出す、そんな沖縄の一風景。


プロフィール

CHAJIN/チャジン





フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。  

インスタグラム instagram.com/chajin_eye

これまでのお話はこちら


 
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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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