植物生活編集部 植物生活編集部 2020/04/01

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.31 菫紫大根


vol.31 菫紫大根


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と





CHAJINさん(以下C)「今回は、こちら」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「これは~、紫の……なんの花ですか?」

C「これはね、スミレとムラサキハナナ。(ムラサキハナナは)ムラサキダイコンともいうのかな」

M「へぇ~」

C「横浜の三渓園に待春軒(たいしゅんけん)っていうお蕎麦屋さんがあって」

M「はい」

C「そこで“うらら会”っていう花市場の仲間と花展をたびたびさせていただいているんですけど、去年のいまと同じぐらいの時期にその花展で活けたものです」

M「なるほど~。雰囲気がいいですね。ちょっと半屋外みたいな感じで」

C「そうなんです、まさにおっしゃる通りで。ちょっと屋根だけついてて……だから半屋外だね(笑)」

M「(笑)。気持ちよさそうですね」

C「はい。これまでの花あしらいで使ってきたお花は、市場で仕入れたりとかそういうのが多かったんですけど」

M「はい」

C「今回のこちらは私の庭で採ったり、友人の庭で採ったり。そいういう道から採って来たというか、そこに生えていたものを、みたいなそういう感じです」

M「おぉ~~~~」

C「この濃い紫の方がスミレなんですけど」

M「あ、この真ん中の一群の子たちですか?」

C「そうですね。気持ち濃い紫色の。ちょっと濃淡があってわかりづらいんですけど」

M「はい」

C「ウチに門までの細い道があって、家からそこに行く道の左右にスミレがいつのころからか群生するようになって。それが年々増えて、ちょうど門を開ける脇のところにいちばん咲いているんですけど」

M「へぇ~~~」

C「3月頭ごろは外に出るときに、フワッと足元から香りが立ち上るような……そういういい香りがして」

M「へぇ~! スミレの香りって、あんまり体験したことがないかもしれないです」

C「なんて言ったらいいんだろう。言葉にするのが難しいんですけど、でも本当に甘~いね」

M「いいなぁ~」

C「出かける門のところだから、いまから出かけるっていうときに一回足元からスミレの香りがフワってきてから出ると、なんかアガるんです」

M「いやぁ、めちゃめちゃいいですね! それだけいっぱい咲いてるっていうことですか?」

C「なんかね、どんどんどんどん増えてくんですよね。根っこがつながっていて、去年より増えたなっていう感じで」

M「CHAJINさんがご自分で植えられたんですか?」

C「いや、多分祖父が植えたんだと思います。ウチの祖父が庭造りが好きだったので、いまもいろんなところに木が残っていて」

M「いいですね」

C「そうですね。(スミレが咲いているのは)本っ当に期間限定なので。この記事が更新されるころには、もう葉っぱだけになってると思うんだけど」

M「はい」

C「ほんの10日……2週間弱くらい楽しめるというか。スミレの紫色の小花が点在したのを見て、なんとなく春が来たことを感じるっていう。なんか美しい話みたいだけど(笑)」

M「美しいです~」

C「それと薄い紫のやつは、形も似てるのでわかりづらいけどムラサキハナナっていわれる、まぁ、一昔前だとムラサキダイコンとか呼ばれるお花で」

M「ふんふん」

C「これはなかなか花市場で売っているものではなくて。鎌倉あたりだと本当にそこかしこに咲いてたりして、ウチにも実は咲いてたんですけど近年咲かなくなっちゃって。この花展の前に友人の咲いているところからもらったんです」

M「いやぁ、もうかわいいし、すごいキレイ!」

C「すんごい好きなんですよ、私。これも思い入れのある花で」

M「はい」

C「あの~、僕が幼少のころ……小学生くらいのときに」

M「はい」

C「一人で遊んでるときとかは、さっき祖父の話もしましたけど庭にいろんな花があったので、よく花で遊ぶとかそういうことが多かったんですよ」

M「ほぉー」

C「で、このムラサキダイコンはあんまりウチにはなかったんだけど、近所の畑みたいなところにはいっぱい生えてて。それをね、摘むのが好きだったんだよね(照笑)」

M「へぇ~! なんか、このムラサキダイコンの姿が琴線に触れたんですかね」

C「なんでしょうかね~。いまでもその風景を覚えてて。個人的にこのムラサキダイコン……ムラサキハナナはすごいノスタルジックな花なんですよ」

M「ほぉ~」

C「だからいまでも咲いているのを見ると、ちょっと郷愁的な気持ちというか、なんともいえない気持ちになるっていうかね」

M「ふんふん」

C「だから、思い出コーディネートですかね、今回は。でもそういう風に言うと花を子どものころに摘んでる軟弱な男、みたいな感じですけど(笑)」

M「いやいやいや! めちゃくちゃカワイイと思いますよ」

C「友だちと遊んでるときは、当時流行っていたモデルガンを持って走り回ったりとか」

M「でも一人になると、実はお花も好き。みたいな」

C「そう、全然違う両面性がありましたね」

M「いいことですよね~。あとこの子はナズナ的な、ペンペン草ですか?」

C「そうですね。これだけは市場で仕入れたやつですけど、西洋ナズナっていわれるもので」

M「カワイイ。この器も、この子たちにあってる感じですね」

C「そうですね。これはね、ご近所で料理屋さんをやっていたところがちょうど長年の幕を閉じるっていうときにセールをするっていうことで見に行って(買ったもので)」

M「はい」

C「写真だとわかりづらいんですけど、すごい重厚なガラスなんです」

M「へぇ~。ガラスに見えない!」

C「多分、花器だとは思うんですけど。なんかすごく重くて。(今回の)花展ではじめて使ったんです。直径でいうと20cmくらいですかね」

M「はい」

C「ちょっとすり鉢状になっていて。底は足が広がっていて、なんていうんだろうこういう形」

M「なんていうんでしょうね?」

C「ね。で、花がかかってないところは少し(器の)フチが見えてるんですけど、活け方としてはフチに這わせて……これがもし地面だったら、ここから群生して外側にワッと枝垂れてるみたいなそういう雰囲気っていうか。もともとそういう状況で生えてる花なんで」

M「ほぉ!」

C「あんまり形を整えるっていうよりは、どっちかっていうと一期一会的に、なんとなく自然に生えたみたいなそのぐらいのチカラ加減であしらうといいかなって。割と一発勝負みたいな感じで活けたんですけど。なのでいろいろピョンピョン出てたりとか」

M「カワイイですね~。あと(花を)活けてない水が見えているところも、清らかというか、清々しくて。水たまりっていったらアレですけど、ちょっと自然の風景という感じがしてきれいです」

C「あ~なるほど。それはやっぱ見る側のセンスがあるとそういう風に想像できると思うので」

M「そんなセンスはないですけど(苦笑)、なんとなく」

C「お花って見る人によって想像力が変わるのもひとつのいいところで。僕なんかもちょっといまMちゃんがおっしゃったみたいに、風景的なこともなんとなく思いながら、昔の子ども時代のこととか思い出しながらこの花を触ってたってところはあったので」

M「はい。じゃあアレですね、ちょっと家の近所で摘んできて飾っちゃおうかなっていうのもありってことですかね~」

C「そうですね~。まぁ、勝手に採るっていうといろいろ問題が出てきちゃうと思うけど……(汗)」

M「あ、そうですね(汗)。ではお友だちのお庭でいただいてくるとか」

C「はい。とくに春はいろいろ芽吹いてきて、そこからカットして活けるみたいな。まさに究極の贅沢みたいな。そういうお花の楽しみ方もできるものならそれはそれですごくいいのかなって」

M「はい! ではまず庭が欲しいですね(笑)」

C「じゃあ一発売れる本でも作って……がんばってください(笑)」

M「あぁ……(笑)」


スミレって春の代名詞のように名前ではすごく身近なのに、
その姿はあまり近くになくて不思議な存在だなと思います。
あんまり私がスミレいいなと言っていたので
優しいCHAJINさんと奥様が
アトリエの庭に咲いていたスミレを株分けしてくださいました。
(ありがとうございます!)
急いで鉢とか土とかネットとか必要なものを買いに行って
いそいそと植え替え、いまスミレちゃんは我が激狭ベランダにいます。
来年の春が早くも待ち遠しいです!(byM)


 

鎌倉と、



工房移転




春は出逢いとお別れの季節。
4月からの新たな出逢いの前に、
3月いっぱいで長く御縁のあったアトリエを引っ越すことに。

アトリエはCHAJINを始めてからのこれまでの四半世紀の間にも
実は結構引っ越しをしていて、
今回の移転で7回目になります。(結構変わってるなぁ~笑)。

これまでで一番モダンな造りだった現在のアトリエ。
友人とシェアをして借りたというのも初めてのことでした。。

僕の部屋の窓から眺められた小さな中庭の風景は、
季節毎に咲く花姿に花活けのヒントを貰ったり、
日々癒されたりもしておりましたね。

少し前には、シェア仲間の誰かが植えた
スノーフレークが可憐に咲いていたり~。

こちらでのたくさんの思い出を胸に、
また来月からRe:スタートでございます!




ときどき茶話、


愛猫撮影


引っ越しに向けてアトリエの大掃除しながら、
こちらでの様々な風景を思い出していました。

借り始めてまもなくの頃だったか、
猫の被りモノ本の撮影をこの部屋ですることになり、
愛猫がモデルデビューしたこともありました。

モデルのお仕事については僕も未体験(笑)なので、
愛猫に先を越されてしまいましたね~。

当時、ウーロン用に制作していただいたライオンを見て
新日本プロレスのライオンマークみたいやないか~い!
と取り乱す自分がおりました(汗)。

由比ヶ浜のアトリエ&ウーロンの良き思い出也。


*猫が喜ぶめっちゃカワイイおもちゃから被り物の作り方まで諸々詰まった
俵森朋子さんの書籍『ねこの編みもの(2016年河出書房新社刊)』オススメです~!

 

活けラジ

脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで 「vol.10」 配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら





プロフィール

CHAJIN/チャジン





フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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