ローラン流 季節の花あそび vol.12 華やかなチューリップを魅せる春のブーケ
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.12 華やかなチューリップを魅せる春のブーケ
チューリップは、誰もに馴染みのある春の代表花の一つ。色や形、咲き方が多種多彩なところも魅力です。
その中で特に私が気に入っているのは、八重咲きやパーロット咲きの品種です。
開花前の、くしゃっとした状態から、花が開くにつれて華やかに姿を変えていく様子は見ていて飽きません。
今回は、八重とパーロット、2種類の紫系のチューリップを選び、そこから色をつなげて選んだ春の花をたっぷり合わせたブーケを紹介します。
白に細い紫色のラインの入った八重咲きのチューリップは、染めの花ですが、自然で、優しい色みであることからセレクト。
そのラインの色にリンクさせ、濃い紫のチューリップ‘ネグリタパーロット’を合わせ、
色の濃淡で変化を出しました。
花びらの縁に切れ込みが入り、開くとオウム(パロット)の羽根のように広がる形が名前の由来といわれる、パーロット咲き。
その優雅な姿は、ブーケやアレンジメントに表情を与えてくれます。
チューリップの魅力は、しなやかな茎の動きにもあります。
飾っているうちに茎が伸びて成長することを考え、そのスペースを確保しながら束ねますが、高低差をあまりつけず、色を塊で見せるように構成することがポイント。
こうすると、同色系の花の濃淡の中で、それぞれの色や形の違いを楽しむことができます。
また、茎が伸びてきてもばらけた印象になることがなく、美しい形が保てます。
太陽の光に向かって、自由に伸びていくチューリップの生命力あふれる様子と、艶やかな色とのコントラストが魅力のブーケです。
flower&green
チューリップ(ネグリタパーロット、ほか1種)、スカビオサ、パンジー、スイートピー、アストランチア、銀葉アカシア、ゼラニウム、アメリカイワナンテン、アイビーベリー
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
自身初の作品集『Jeux de fleurs』をごらんください。
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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