植物生活編集部 植物生活編集部 4週間前

花店インタビュー|共同経営する二人の店主の個性が光る、花とお菓子とぬくもりの店

|jardin nostalgique 


印象的な赤い木製のファサードに、思わず中を覗き込んでみたくなる誘惑に駆られる—−ここ「ジャルダンノスタルジック」は青江健一さんと加藤孝直さんが2012年から始めた、東京・神楽坂の人気花店です。センスある花あしらい、パティシエでもある加藤さんのお菓子、そして穏やかな空気が、訪れる人の心をユルリと解きリピーターの人気の秘訣となっています。


世界観を伝える店づくり、こだわりは?

東京メトロ東西線の神楽坂駅から徒歩数分、
大きな通りから少し外れた住宅街に
ヨーロッパの田舎の建物を持ってきたような、かわいらしい赤い扉が見えます。



鉢物などの入り口にある商品は
見やすさだけでなく、散歩するように楽しめる動線を考えて配置。
入り口の商品を見ているうちに自然と足が店内にも向いて、
プレッシャーなく入れる雰囲気作りは
花屋さん初心者にもうれしい心遣いです。

外壁の板も、すべて自分たちで貼ったもので
右手にある道具入れも同じような板で外装して馴染ませることで
全体の世界観を統一しています。

足を踏み入れると花とお菓子、雑貨に囲まれたこだわりの空間が広がります。
店名はフランス語で「懐かしい庭」という意味
。
その名の通り、郷愁を誘うような優しい気持ちになれる店内には
花だけでなく枝物や野草系もたくさんあります。

アンティークの什器や小物もセンスがよく
ちょうど居合わせたお客様も、思わず「かわいい!」と口に出していました。


写真は、フランスで仕入れたブロカントのカップ。

取り扱う雑貨は幅広く
国内外の花器、
ポストカード、オブジェ、キャンドルなども並びます。

ディスプレーは不定期で変わりますが
懐かしいような優しい店の空気感は不変。
店では青江さんと加藤さんのほかに、頼もしい二人のスタッフが働いていて
彼女たちとのチームワークの良さも気持ちがいいです。


これまでの歩みと、培ってきた花のスタイル

華やかでいて、派手過ぎない。
それがジャルダンノスタルジックのスタイルです。
大学の農学生命科学科を卒業し
日本だけでなくパリでも花を学んだ青江さんと、
園芸の専門学校で学びオランダ人フラワーデザイナーの元で勤め
さらにはケーキ店でパティシエとしても経験を積んだ加藤さん。

二人の生み出す花のスタイルはそれぞれの個性を感じつつも
どちらもホッとするような温かさを備えています。
たとえば、取材時は春。
青江さんと加藤さんそれぞれに、季節のおすすめの花束を作っていただきました。


こちらは青江さんによる
ヒヤシンスやスイセン、チューリップなど、春の球根を使ったブーケ。
ポイントは枝物のヒメミズキです。
「素朴な印象を与えて自然に見せることができるし、
枝の乾いた質感は冬から春への季節の移り変わりを想起させてくれます」
と青江さん。


こちらは加藤さん作。
多くの花を使っていますが落ち着いた色を組み合わせているので、

かわいいけれども大人っぽくて、華美過ぎる雰囲気にはなりません。

ミモザの葉をはじめ、グリーンも複数の質感を合わせて
優しい雰囲気を強調しています。

二人ともかつて花の仲卸で勤めていたこともあり、
花に関する知識も頼もしいところです。

季節感とお客様の思いを大切にしながら
丁寧に、自然体に合わせられた花々は
見る人の気持ちを和らげる優しさに満ちています。


レッスンとスイーツ、+αの強み

店ではレッスンも行っています。
「初めての人でも、経験のある人でも、きちんと理論を学ぶだけではなくて、
楽しかったと思ってほしいです」と青江さんが語るレッスンは
しっかりとファンを掴んでいる人気コンテンツ。
レッスン後にはパティシエでもある加藤さんお手製のスイーツを
楽しむお茶の時間もあり、そのひとときも魅力です。

ケーキや焼き菓子は、どれもじんわりとシンプルなおいしさ。
優しくて、なんだかお母さんが作ってくれたような……
甘いものが苦手な人でもまた食べたい!と思わせる
絶妙な甘みとバランスで、
季節毎にメニューが変わるのもワクワクします。

ときには青江さんが感想を伝えたりして
ブラッシュアップされることも。
こうした二人のやり取りからもコンビネーションの良さを感じます。

テイクアウトでの販売に加え
土日にはカフェも営業(店内消費は新型コロナ禍にて現在休止中)。
花に加えて雑貨、レッスン、スイーツで彩られた、ぬくもりの世界は
「思い出の庭への扉を開き
あなたを忙しい日常から郷愁の旅へいざないます」
という店のコンセプトをしっかりと体現しています。

こちらの店に伺うと、青江さんと加藤さんが
店の前を通る人たちと挨拶や言葉を交わしている情景にしばしば出合います。
その姿からも、
地域に根付いて愛されていることが伝わってくるのでした。



text&photo 月刊フローリスト 撮影/三浦希衣子

店舗情報


jardin nostalgique ジャルダン ノスタルジック
住所:
東京都新宿区天神町66-2 1階
http://www.jarnos.jp

Instagram:jardinnostalgique
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