ウチダ トモコ ウチダ トモコ 43ヶ月前

ようこそ、ブルーシクラメンの世界へ

冬も青を楽しもう

みなさんは、青い花ってお好きですか?

春のヒヤシンス、アイリス、シラー、
そうそう、最近は、ネモフィラで海のような景色をつくる公園が人気ですね。

初夏からはデルフィニウム、ニゲラ、ヤグルマギク、
アジサイ、アガパンサス、ツユクサ。
夏じゅう、涼しげに咲くプルンバーゴもすてき。

秋にはサルビア、リンドウ、シャジンの青も忘れがたい。

だったら、冬は?
えぇと、プリムラ、ローズマリー。
それから、それから…。

冬の青い花に、シクラメンが加わったのは、2011年のこと。
「セレナーディア」と名づけられたそのシリーズは、
バリエーションを変えながら、
毎冬、数品種が流通し、この時期の楽しみのひとつとなっています。

→→→ 【今年のセレナーディアシリーズのラインナップはこちら!】

 

シクラメンの合言葉。それはCCYT!

すっかり冬の定番となった青いシクラメンですが、
2017年のシーズン入りとともに、
新ブランド登場のお知らせが届きました。

それが「CCYT」
なんの記号かしら? と思ったら、
「Cyclamen Creator Yasuhiro Takahashi」の頭文字なんですって。

シクラメン クリエーター ヤスヒロ タカハシ。
高橋康弘さんといえば、今、最も注目されている
若手育種家のひとりです。
先代からシクラメンなどの育種と生産を生業とし、
康弘さんに至っては、
10年に1回オランダで開催される世界的な園芸の祭典の2012年大会にて
シクラメンで優秀賞を受賞した方。
珍しい上向きで咲くミニシクラメン ‘アンジュ’ を
お花屋さんで見かけたことがある人も少なくないでしょう。


フロリアード優秀賞2012受賞、日本フラワー・オブ・ザ・イヤー2012、ベストフラワー賞、ニューバリュー特別賞を受賞した‘アンジュ’ は、育種家高橋氏の名前を一気に広めました。すでにかわいいミニシクラメンの定番です。写真はチランジア、ウスネオイデスとのアレンジ。


それまでも、その後も、各所の品評会で
農林水産大臣賞など、たくさんの賞を受賞している実力者です。

その世界に誇る育種家が、いよいよシクラメンで「ブルー」を極めるべく、
青い花をクリエイトし続けるサントリーフラワーズとコラボレーション。
新ブランドの立ち上げに至りました。


△ 高橋康弘さん。千葉県の大栄花園 代表取締役。
自社育種のシクラメン、アジサイのほか、ブロメリアやチランジアなど観葉植物も生産。流行を取り入れ、話題性のある育種や生産を行っている。また、その技術は世界的に定評がある。
写真提供/サントリーフラワーズ


△ CCYTブランドは、このロゴが目印。




2017年「CCYT」のラインナップは、
「江戸ノ青」「胡蝶」「月下」「瑠璃玉」「冬化粧」の5品種。
端(はな)から5品種もそろうとは、
さすが堂々のアプローチです。
いずれも、今のシクラメンのトレンドがひと目でわかる花容、そして株姿。
みなさんは、どのブルーに心惹かれますか?

● 江戸ノ青(えどのあお)
藍色のような冴えた花色。シャープな花容がひときわ人目をひく、CCYTの牽引品種。
IFEXフラワー大賞2017鉢物部門 グランプリ受賞品種
写真提供/サントリーフラワーズ



● 胡蝶(こちょう)
広がる丸弁に白いストライプが、チョウが舞うように見せてくれるます。
花茎を中心に揃えず、あえて散らしても軽やかな見せ方が楽しめそう。
写真提供/サントリーフラワーズ



● 月下(げっか)
シンプルな花形に、人気のシルバーリーフが引き立ちます。
月夜の雪をイメージさせる、聖夜にぴったりのひと鉢です。
写真提供/サントリーフラワーズ



● 瑠璃玉(るりたま)
江戸ノ青 が男性的であるなら、こちらの瑠璃玉はまぁるいフォルムが女性的。
ふんわりと優しい佇まいは、誰からも愛されるキャラクター。
晩生なので、12月に入ってからの出荷が待ち遠しい!
写真提供/サントリーフラワーズ



● 冬化粧(ふゆげしょう)
うつむいて咲く個性的なワーリーギグタイプも、ブルーで登場。
引き立つ萼片の白を雪に見立てた、ネーミングセンスにも納得。
写真提供/サントリーフラワーズ
註)「冬化粧」はすでに完売しました。



*なお今年のCCYTシクラメンは、こんな順番で流通します♪
江戸ノ青→胡蝶→月下→冬化粧→瑠璃玉(最晩生)



△ 高橋さんの技術もすごいけど、スタッフも凄腕揃い。1株ずつていねいに葉を整える「葉組み」は、シクラメン栽培に必須の作業ですが、通常の2倍の回数を施して、大栄花園クオリティの株が完成します。


△ 高品質な株づくりは、そのほかこんなことも。株のなかに支柱とリングを立てると、株の中心に光が届き、芽の生育が促されます。とても手間がかかる作業ですが、ハイスペックな株づくりには欠かせないワザ。また、シルバーのシートを敷くと下からの反射光を得て、葉数が多く、丸く締まった美しい株姿に育つそうです。


△ 出荷が始まった「月下」。「ご覧ください、この揃った葉形! みっしりとした葉数! そして花の数!」

 

ブルーシクラメン は最先端技術の子

さて、「セレナーディア」 「CCYT」という、
ブルーシクラメンの2ブランドを紹介してきましたが、
いずれもサントリーフラワーズのお花たちです。

ここでトレンドに敏感な花好きクラスタなら、
「サントリーフラワーズといえば青いバラに青いカーネーション!」と
思いつくのではないでしょうか。

その通り、同社は1997年にカーネーション「ムーンダスト」、
2009年にバラ「アプローズ」を、いずれも切り花で現在も発売しています。

これらは本来、カーネーションやバラが持っていない青い色素を
遺伝子組換え技術でほかの花から導入して生まれました。
当時、その花色の実現に驚くとともに、
バイオテクノロジー技術の進化も、広く話題になったものです。

しかし、このブルーシクラメンは、
カーネーションやバラとは別の技術によって実現したものであり、
それは同社の試験で「遺伝子組換えではない」ことが明らかになっています。

いずれにしてもブルーシクラメンは、
わが手元に置いて育てることができる
現在の育種の最先端技術の賜物であることには違いありません。

 

ブルーシクラメンを、長くすてきにもっと楽しむ

手元に置いて、大切に、そして自由に、
楽しむことができる特別なシクラメンたち。
より長く美しく楽しむコツは、この3つです。



シクラメンは暑がり。ちょっと肌寒い場所に置く

部屋で楽しむイメージですが、
シクラメンは実はちょっと暑がりな植物。
ブルーシクラメンに最適な気温、室温は10 〜 18℃です。
昼間はベランダなどに出し、しっかり日に当てましょう。
夜は取り込んで、暖房の効き過ぎない場所に置きます。
 

乾かしすぎず、湿らしすぎず

シクラメンは「水やり加減が1番難しい!」と
お悩みの方も少なくないかもしれません。

そんな方は底面給水鉢のシクラメンを選びましょう。
CCYTシリーズなら、すべて底面給水鉢で流通しています。
使い方は、鉢の横の窓からのぞいてみて
給水タンクの水が減ったら窓から水を注ぐだけ。
常に水をためた状態にしておきます。
底面給水鉢なら水切れすることなく、
要求する分だけの水分を、シクラメンに提供してくれます。

なお、普通の鉢の場合は、表土が乾いたら
表土に水をかけて水やりをします。
このとき、球根や葉に水をかけないようにすることと、
鉢皿に水をためないことがポイントです。

また、底面給水鉢の場合も、1 〜 2週に1回程度、
表土に水をかけると、
表土に固まった肥料を溶かしてあげることができます。
 

花色があせたら抜いて切り花に


△ 「色があせてきた花は、花茎のつけ根をもってねじると、スポッと抜けます。古い花を抜くことで、次の花が上がりやすくなります」と高橋さん。また、「抜いた花茎の下を切り戻して水にさせば、まだ切り花として楽しめるので、ぜひ試してみて」。トイレや洗面所など、狭いコーナーによさそう。

【Point!】古い葉や花を抜き取るなどのシクラメンのお手入れをしたら、市販の「キッチンハイター」などの塩素系漂白剤* を2ℓの水に1〜2滴加えた希釈液を、株元にシュッシュッとかけておくと、カビなどの発生を防げます。

*塩素系漂白剤:次亜塩素酸ナトリウムが主成分の漂白剤。農薬取締法では、特定農薬(特定防除資材)に指定されています。


→→→ 【ブルーシクラメンの育て方をもっと詳しく】


 

どれを選ぼうか? 私のブルーシクラメン


さぁ、今年1番のトレンド、ブルーシクラメンについて
ざっとご紹介してきましたが、いかがでしょうか。

シクラメンというと、これまではあたたかな色合いが主流ですが、
今年はちょっと大人びたブルーをひと鉢プラスしてみると、
ちょっと景色の印象が変わりそうです。

聖夜のギフトにはもちろん、
今年1年がんばった私へのチアープレゼントにもおすすめ。

でも今シーズンは、なんと3+5の合計8品種もあるから、
どれがよいか、なかなか選べないって方もいらっしゃるのではないでしょうか。

ということで、セレクトのヒントになるよう、
【一目でブルーシクラメンのイメージがわかる!】
かんたんなチャートをつくってみました。
気になるワードから、チェックしてみてくださいね。


text & Photo ウチダトモコ  
取材協力 大栄花園、サントリーフラワーズ

 
  • すてき 0
  • クリップ
  • 埋め込み

この記事をシェアするには埋め込みコードをコピーしてSNSやブログに貼り付けてください。

この記事のライター

ウチダ トモコ
ウチダ トモコ

園芸ライター、グリーンアドバイザー、江戸東京野菜コンシェルジュ。
園芸雑誌、ライフスタイル誌などの編集、ライターを経て、現在は主にウェブで提案および取材執筆活動中。

直近の記事