植物生活編集部 植物生活編集部 50ヶ月前

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.27 白花初め


vol.27 白花初め


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と

  



CHAJINさん(以下C)「あけましておめでとうございますっていうことですかね~」

植物好きなアラフォー女子M(以下M)「あけましておめでとうございます~」

C「2020年の一回目ということで」

M「2020年……!」

C「いやぁ~おめでたいですね。ということで新年一回目、どうしようかなって思ったんですけど、年も改まって心も清らかに……真っ白な気持ちでまたこれから今年がんばっていくぞっていうつもりで、白い花を用意しました~」

M「めちゃめちゃキレイですよね!」

C「これはね、チューリップなんですけど」

M「はい」

C「品種名は‘ホワイトパロット’っていう名前なんですね」

M「ホワイトパロット」

C「はい」

M「チューリップって小学生がイラストで描くような、ちょっとすぼんだイメージがあるので、ワァって開いているチューリップってこんなにキレイなんだ!っていう衝撃……!」

C「1月くらいの花市場に行くと春の花とかも出つつ、チューリップも出始めててね。1月2月って結構(チューリップの)最盛期で。季節は寒くて辛いんですけど、花的にはとってもいい時期なんです」

M「ふんふん」

C「いまおっしゃったように、チューリップはいわゆる三角形……涙型みたいなそういうシルエットを思い浮かべますよね」

M「はい、はい」

C「チューリップは温度に敏感な花で、開いたり閉じたりしを繰り返しながら咲くんですけど」

M「ほうほう」

C「このホワイトパロットも最初はちょっと閉じていて、卵形みたいな感じなんですね」

M「はい」

C「でもこのパロット咲きっていう品種は、最後はおっぴろがって……ていうのも新年早々お下品な感じですけど(苦笑)、すごくワッと開いて終わっていく。この写真は結構後半の、その最後のワッと盛り上がっている瞬間みたいなところで」

M「はぁ~(感嘆)」

C「個人的にはまだツボミのチューリップも好きですけど、花芯も見えて、花びらもブワっと広がって、とくにこのパロット咲きは一回下に下がったのがもう一回上に上がるみたいな……S字を横にしたみたいなそういう動きも出てくるんですよ、茎にも」

M「へぇ~、かっこいいですね!」

C「だからとってもゴージャス感もあり。これは10本くらい飾ってるけど、二番花みたいなツボミも覗きつつ、最初のヤツはグワっと開いて、花芯も見えていたり、閉じ気味だったり、六分咲きだったり……いろんな花の咲いている状態が覗くと一種類しか(花を)使ってなくても、とても存在感があって。しかも白っていう割と色としてはそんなに目立つ色ではないのに」

M「はい」

C「フリンジが入っていたりする咲き方も含めて、結構好きな品種なんです」

M「なんか、たまにお花屋さんなんかでチューリップが開いていると、クレームになるっていうお話も聞いたことがあって」

C「へぇ~! そうですか!」

M「なぜかと言うと、もう咲き終わっちゃうんじゃないの?と思われる方もいるからっていうのを、ちょっと聞いたことがありまして」

C「なるほどね~」

M「ただ、もう咲き終わっちゃうんじゃない!?って広がっているところが美しいと思うので……もうすぐお楽しみタイムですよ、それ!って。個人的にはそこまでチューリップを楽しんでほしいわ~ってそうしたお話を聞いて思っていたので」

C「はい~」

M「これくらいの美しさを、世の中の人に広く知っていただきたい!と勝手に思ってます」

C「ま、確かにね、お金を出すタイミングのときは少しでも長く楽しめたらいいと思うかもしれないけれど」

M「はい」

C「たとえばパーティーとかで活けるときには、ツボミだけよりは少し開いていた方がその場には合うとか、お花ってやっぱりTPOに合わせた花選びっていうのもあると思うので」

M「ふんふんふん」

C「買うとなるとね、確かにツボミから長く楽しみたいっていうご意見も分かりますし。やがてこうなるっていう楽しみ方も、わかってもらえればいいかもですね~」

M「ですね~。やっぱりどんどん変化していく美しさを、最後までお楽しみあれって(熱弁)」

C「そうですね~。(パロット咲きのチューリップは咲き終わるタイミングの)これくらいになると枝垂れて咲くって言いましたけど」

M「はい~」

C「たとえばまだツボミのころ……茎が上方向にピッと立っているころはテーブルに置いて少し下斜め45度みたいな感じで見て、枝垂れてくると目線よりも高いところに飾って、上から枝垂れてくる感じを下から眺めるみたいな、咲き加減によって飾る目線も変えたりすると、同じチューリップでも全然違う楽しみができる」

M「おお!」

C「そんな楽しみ方も、新年明けてお花を最初に買ったのがチューリップっていう方は、そういうことも気をつけながら飾っていただくといいかもしれません」

M「いいですね~」

C「白いチューリップってこの品種以外にいろいろあるんですけど、さっきちょうどMちゃんがたとえに出していた“イラストにすると”みたいな、そういった意味ではこちらの‘ホワイトリバースター’っていう品種もあります」

M「きれいな名前」

C「でも何年か前の方が出荷量が多かったイメージがあって、まだまだ見るんですけど、ちょっと懐かしのチューリップになりかけてる気がしないでもない……」

M「そうなんですね~」

C「はい。と言ってこれ収録してるのがクリスマス前なので、年明け市場に行ったらものすごい流行ってるかもしれませんけど(笑)」

M「わかんないですよね(笑)」

C「さっきのパロットが開いている美しさっていうことで言うと、(ホワイトリバースターは)ちょっとキュッと閉じている……もちろんこれも温度に準じて平手は来るんですけど……花びらの先のシルエットがキュートな品種ですね」

M「かわいいですよね」

C「(チューリップは)本当にいろんな種類があるので、週ごとに品種を変えて必ずチューリップを1本飾って楽しんでも……1月から始めて3月中旬までかなぁ、それでも10回くらいしか楽しめないので」

M「はぁ~、じゃあ本当に季節限定のお楽しみみたいな」

C「そうですね~。だからこんなに(たくさんの)量は飾らずとも、1輪でもとっても存在感のあるお花なので、ぜひこの季節のいずれかのタイミングで飾ってもらえたらなって」

M「……すっごい余談なんですけど……」

C「はい?」

M「このホワイトリバースターの花の形が、シュウマイとかショウロンポウ的な感じでおいしそう感が……」

C「そんなことで、よく(このタケを使うスタイルを)やるんですけど」

M「はい」

C「あ、さすが台湾好き(笑)」

M「なんかいいなって(笑)」

C「(笑)」


チューリップの種類の多様さには
本当に心がときめきます。
そして、そのチューリップが咲き切る前の
ガッツリ開いた姿、
その華やかさ、儚さときたら……夢幻の世界です。
ドライになったらまた質感が変わり
もうチューリップ大好き!!!
今年も買うぞ~~~~~!!!!!(byM)
 


 

鎌倉と、




藪椿目白


台所の窓前にある藪椿。
一年のほとんどは葉の緑尽くしな風景(それもまた良し)ながら、
年明けから暫くはいつもの食卓もより華やかに。
大寒を過ぎてからは、椿の紅花もいっそう点在し始めた。
それを目指して毎朝やって来る小さな客人。
まさに花鳥風月。
今だけのささやかな朝のお楽しみ。




ときどき茶話、




新年抱負


年始からずっと食の扉が開きっぱなしで、気がつけばヘビー級に、、汗。
先日カミさんの誕生祝いで出かけた串焼きを最後に、暫し扉を閉める決意を。
でもまだ鍵はかけていない。

 

活けラジ

脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで 「vol.6」 配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら


プロフィール

CHAJIN/チャジン





フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。  

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


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この記事のライター

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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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