植物生活編集部 植物生活編集部 47ヶ月前

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.32 春枝挑戦


vol.32 春枝挑戦 


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と





CHAJINさん(以下C)「今回はコチラですね、黄色いお花」

M「これ、なんだろう?」

C「これは前回の3月の2回目のときにスミレのお話をしましたけど、そのときと同じ花展・三渓園さんで活けたもので……」

M「はい」

C「スミレは小さめの作品でしたけど、こちらは大きめな」

M「見るからにドーン!という迫力がありますね」

C「石のテーブルの上に乗ってますけど、テーブルいっぱい一杯なんで横が2mちょっとくらいですかね」

M「両手を広げたくらいですかね。大きい」

C「お花としてはね、ヤマブキ。黄色いのね」

M「へぇ~! いいですね~」

C「それと、細い上の方にツンツン出てますけど、これクロモジっていう(枝もので)楊枝とかに使っているね」

M「あぁ、はい、はい! いい楊枝ですよね。和菓子とか食べるやつ」

C「そうそうそう。それとあとね、このちょっと房状のものがありますけど、これはキフジっていうものですね~」

M「キフジ……左側のやつですね」

C「キフジとか、キブシとか、言い方は二通りあるみたいだけど」

M「ふんふん」

C「そんな“枝もの”尽くしって感じで。これは春の花展だったこともあって、黄色っていうのが……ほかにも花色はいろいろあるけどヤマブキが大体4月から5月にかけて花ものの枝ものとして、花市場でももちろんありますし、鎌倉あたりでも散歩してると所々で目にするんです」

M「ほうほうほう」

C「(ヤマブキは)枝ものなんだけど、茎の柔らかさというか、花もそんなに威張ってないけど存在感があるというか……」

M「繊細な感じなんですね」

C「はい。ヤマブキだけでも、すごく全然アリなんですけど」

M「はい、キレイな黄色ですし!」

C「その時季に出ている春を感じるキフジとかクロモジあたりを、枝もの尽くしっていうところで(合わせました)。お家で飾るってなると、こういう大きさは難しいと思うんですけど」

M「そうですね、お家では……」

C「ただ、いつぞやもお話ししたかもですけど、枝ものを飾るよさっていうか。切り花とはまたひと味違って」

M「はい」

C「大きさは伴っちゃうんですけど、なんていうのかな……たとえばヤマブキとかも黄色い存在感があったり」

M「ですね~」

C「ちょうど同時期ですとサクラとか、この季節ならではの枝ものだけど花がついていて、それだけでワサッと活けて飾るのも絵になるような、そういう期間限定の花が所々にあるので」

M「ほぉほぉ」

C「枝ものを飾るのには、少しいい季節ですよっていうところを今回はお伝えしたいなと」

M「そうですよね、春って枝についた花が歩いていてもチラチラ見えたりしますし。ちょっと初夏になると葉っぱになっちゃうから、本当に期間限定の華やかさっていうのはなんだか楽しくなりますね」

C「ね。それで、これは実は吸水性スポンジに活けているんですけど」

M「なるほど」

C「写真だとちょっとわかりづらいんですけど。少しその上に黒い石とかも敷いてあったり」

M「へぇ~~」

C「この枝ものの伸びやかな感じ……それを少し切り取ってお家とかにちょっとあるだけで、なんかいつもの優しい切り花とは違う雰囲気が味わえる。そんなことを試すにはなかなかいい季節かなっていうところがあって」

M「春は枝ものチャレンジ季節ですね」

C「前もどこかの回でそんな話をしましたね」

M「ですね」

C「(その前の回で、枝ものを活けるのに適した)花瓶を買ったらいいかもっていう話しをしましたけど、買いました?」

M「えぇっと、花瓶は買ってないんですけど……ミモザは買いました!(ややドヤ顔)」

C「すばらしい(笑)。ミモザの黄色とヤマブキもほど近いので、黄色つながりでね、ヤマブキも買ってみようってなれば」

M「はい!」

C「(黄色は)金運が上がるっていうのもなにかで聞いたことがあるし」

M「あぁ、黄色はいいって言いますよね。ちょっと気分も上がりますしね。元気な色、ビタミンカラーで」

C「うんうん」

M「でもこの枝の……ミモザも飾っていて思うんですけど、なんていうか形の格好良さとか、枝垂れてワァッとなってる感じとかが、やっぱり切り花より力強かったりして。そういうのが家にあるっていうのはまたいいなぁって」

C「なるほどなるほど、そっかそっか~。そのミモザは、普通に花瓶に投げ入れしている?」

M「そうです。ガラスのピッチャーをいただいたので、そこに」

C「いいですね~。それが段々立ち枯れて少しドライになったら、今度逆さまにして吊ったりとかね」

M「はい~」

C「そのときの気分でいいなと思うことをするといいと思うので。このヤマブキも枝振りがそれぞれ違うし、咲き方も違うんですけど、手にしたものがこの向きに倒れたらいいなとか、そういう気軽な理由で楽しんだらいいのかなっていう気がします」

M「そうですね。(枝ものを活けていると)なんか勝手に重みでそっちしかいかない、方向がそうなっちゃって。素人だからだと思うんですけど……」

C「あぁ~うん、うん」

M「でも(勝手に枝が自分で花瓶の中で向きを決めてくれるから)意外に1本とかだと活けるの楽だなって」

C「そう、だから活ける人の気持ちを覗かせることも大事なんだけど、花の声を聞くと……」

M「おぉ~~~~!(花の声を聞く、というワードのカッコよさに興奮)」

C「(笑)。あ、(この枝は)こっちに倒れたいんだ、みたいな。それをそのまま活かしてあげるっていうか。そういう順番でもいいのかもしれない、もしかしたら本当は」

M「ほぉ~」

C「だから、まぁ花の声は聞こえずとも、なんとなくこっち向くのを望んでるかなと思えば、そういうつもりで触っていると気持ちが通じ合って……みたいなことはあるかもしれませんね」

M「いいですね」

C「うん。いろんな始まりの季節なので、ぜひそういうことをきっかけに花を飾るっていうスタートをしてみるといいかなって思います」

M「はい!」


街路樹や公園などでもよく見かけるヤマブキ。
あのちょっと和な感じの明るい黄色は
見かけるだけで春だなぁと思います。
よくよく見てみると、花の形もかわいいんですよぉ~。
切り花もステキですが
たまーに枝ものを選んでみるのも楽しい!
もしくは両方飾っちゃうという贅沢もアリですね。
夢が広がりますっっ!!(byM)



 

鎌倉と、



在宅珈琲



在宅時間が多くなると、
自ずとお茶時間も増えるということで。

ティータイムとなれば
ずっと紅茶人(紅CHAJIN)と名乗るほどの紅茶党の自分でしたが、
近年は珈琲率の方がかなり高まっておりまして。

昨今流行りの酸味のあるタイプは苦手なため、
愛飲しているのは、苦味とコクの昭和派(?)。

装花もさせてもらっている
友人のカフェマスターが焙煎した“ #stay home ”ブレンド。

名前の最初にある“#”は、
ハッシュタグ(#)を井戸の”井”と打って話題になった
プロレスラーの長州力さんの時事ネタから来ているそうで。

味も香りも、そしてプロレステイストも隠し味に絡めるあたり、、
さすがのマスターワーク(笑)。
おかげで在宅仕事も笑顔で乗り切れましたよ~。

小さな幸せが大事な世の中ですね。

・・・・・

マスター焙煎のコーヒーのみならず、
定番人気のオムライスや、
大人気のプリンパフェなどスイーツその他諸々も超美味なお店は、
“カフェ・ヴィヴモン・ディモンシュ”。

コロナ自粛が収束し、
平和な日々が戻って来たらぜひ御来店ください~!
オススメですよ~!!!




ときどき茶話、



町中華好



本文(花と~)でも先述した三渓園の花展では
展示以外のお楽しみとして、
近隣にある町中華店に通うのが楽しみでした。
町中華と言っても、横浜中華街に程近いからか、
お味はかなりの本格化で!

昭和感漂う町中華好きとしては、
これまで通った数々のお店の中で、正直一番ハマった感も。
美味しいだけではなく、
一口食す毎に、優しい~!と感じる絶妙な匙加減。

一緒に行ったりえちゃん夫婦も口を揃えて美味&優しい~を連発!
以来、現在も足繁く通う大事なお店となりました。

トマト卵チャーハン、オススメ!!

 

活けラジ

脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで 「vol.11」 配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら





プロフィール

CHAJIN/チャジン





フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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