植物生活編集部 植物生活編集部 47ヶ月前

続・きょうの花活け  花と鎌倉とウーロンと、ときどき茶話。/vol.33 ゆるふわ


vol.33 ゆるふわ 


こんにちは! CHAJINです。

こちらは、かつて月刊フローリストさんで連載させていただいていた
「花と鎌倉とウーロンと。」のエピソード2……とでも言いましょうか。

季節ごとに出逢う日々の花あしらいについて、
花活けを始めたばかりの植物好きなアラフォー女子のMちゃんに
わかり易~く(時に脱線しながら)お話ししてゆくWEB版の花教室みたいなコーナーです。

また、アトリエのある鎌倉界隈のことや愛猫ウーロンについての茶話も綴っております。

諸々緩さ満載ながら、皆さまの日々の花活けに少しでもお役に立てればうれしいです。
それでは今回もよろしくおねがいします~!
 



花と





CHAJINさん(以下C)「4月の中頃ってことで、今回はこちらのお花なんですけど」

M「かわいい。繊細ですね」

C「はい。なんですかね“草花系”って呼ばれるものですかね~」

M「はい」

C「ルピナスっていうお花と」

M「ほうほう」

C「それから青いお花はヤグルマギク。それとチロッと覗いているのはアリアム・コワニーっていうネギの仲間です……これです、白い」

M「白い、ツブツブしたのが全体に付いてる、放射状になってるやつですね」

C「そうですね。1本ぐらいしか入ってないですけど」

M「おいしそうですね、なんか」

C「(笑)。ちょっと優しい雰囲気っていうか、こういう春小花みたいな話は以前もさせていただきましたけど」

M「あぁ、そうでしたね!」

C「やっぱり季節柄、春はそういうもの(草花系の花)が多いので。このルピナスっていう花も3月から4月のレッスンのときに、わりとご用意する花材なんですけど」

M「かわいいです(嘆息)。ルピナスもいろんな色があって、ピンクっぽいものからちょっと紫から青っぽいものも」

C「そうですね~。これは‘ピクシーデライト’っていう品種かな」

M「名前もめちゃくちゃかわいいですね。ピクシーデライト……妖精ってことですか?」

C「あ、そういう意味なんだ!」

M「ピクシーってなんか妖精的な……いやスミマセン、英語が赤点だったので違ったらゴメンナサイ(汗)。」

C「いや、合ってると思います(笑)。僕、昔、英語を家庭教師の人に習ってて」

M「はい」

C「でも(僕が)あまりにもできなくて……女の人の先生だったんですけど、すごい一生懸命な方で。で、まぁ、よっぽどだったんだね、そこまで言わせるって。なんて言ったかっていうと(苦笑)」

M「なんて言ったんでしょう、コワイ」

C「あんたの脳みそにはね、砂が詰まってる!って(爆笑)」

M「!!! ひどい(苦笑)」

C「でもね、それはきっと一生懸命さがそこまで言わせてしまったんだと、僕は反省したんです」

M「いやいやいや……。でも、英語は難しいですしね……」

C「でもね、それで僕、火がついてね」

M「そうなんですか!?」

C「学年で10番以内になった」

M「おぉ、すごい!」

C「って言っても学校自体がすごい低空飛行の学校だったんで、たいしたことないんだけど(笑)」

M「でも、がんばりの伸び度が!」

C「やっぱり悔しさがバネになるんだね、多分タイプ的に。今日余談ばっかりですけど(苦笑)」

M「では、お花についても(笑)」

C「はい(笑)。それでね、わりとこういう草花っぽいものは花の空気感を見てると、たとえば外で生えてる花畑みたいなのを想像して」

M「はい」

C「ある種、無作為に。その伸びたい方に伸びてっていうようなところも、花の空気感と合ってるんで」

M「ほぉほぉ」

C「花のいろんなバランスを考えながら活けるっていうのもあるんだけど、まぁある種、花にちょっと任せてみるというか」

M「ふんふん」

C「そういう広い心で関わってみると、もしかしたらいいかなって。これなんかは1本1本バランス見ながら活けるっていうよりは、ある程度手元で花束みたいにしてちょっと組んでみて」

M「おぉ」

C「用意しているものの7割方、手元でなんとなく花束にして。ハナウタでも歌いながら組んでできた形を、そのままジャグにまずバサッと入れて」

M「ふむふむ」

C「残りの3割くらいを、バランス見ながら(器に)1本ずつ入れていく」

M「ほうほうほう」

C「で、完成させたら花を軽く触ってあげて、ササッと揺らしてあげて。それでOK!みたいな」

M「おぉー!」

C「なんかワサッと入れて、そのまま飾るみたいな」

M「ほぉ~~~~」

C「それは決して手抜きではなく、なんとなく花の空気感にそっちの方があってるかなって思えれば、そういう関わり方で仕上げるのもいいのかなと」

M「なるほど」

C「とくに家飾りだったら、毎日水を替えて、そのたびにそういう風にするとちょっとずつ形が変わって楽しいってこともあるので」

M「いいですね!」

C「なにかの展示会とかで、やっぱり美しく整えて飾らなきゃいけないっていうときはもちろんそうした方がいいんだけど。お家だったらときにはそういう風に、花に任せて飾るっていうのもいいのかなって」

M「なるほど~。でも本当にこのお花たちの雰囲気に、ざっくり活けられた感じが合ってますよね。かっちりしてるよりも“ゆるふわ”な方が似合う」

C「うんうん。その“ゆるふわ”っていう4文字に集約されている感じ」

M「やった(ガッツポーズ)」

C「だからちょっと葉っぱが下に、若干多めに残ってたり。そういうのは活け手の人の好みで、この(葉っぱを)1、2枚を間引いた方がすっきり好きっていう方は間引けばいいし」

M「うんうん」

C「自然に生えてるそのままを踏襲した感じで私はいいなって思えば、あえて(葉っぱを)ちょっと多めに残して、変に間引かないでっていうのもいいでしょうし」

M「うんうんうん」

C「なんか正解はひとつじゃない気がするんですよね」

M「自分の思いのまま、気持ちのままに活けるっていうの、いいですよね」

C「体調といっしょな感じで、そのときの気分に素直に、でいいのかなって感じがします!」


最近は家にこもった日々を過ごしていますが
お花があるとやっぱり心地がよいです。
551の豚まんではないですが、あるとき、ないときでは全然違います。
ただ、いまは気軽に外に買いに行けないし、
最寄りの花屋さんは営業休止中……。
生花を手に入れるのも、Mの周りでは難しくなってきました。

でも、花の産地さんがキレイに咲かせた花を無駄にしないために
ウェブサイトで販売をはじめられたり、
花屋さんたちが花を届けようと工夫する姿を見ていると
なんとか応援したい!と思うとともに
やっぱり自分にとって花は大切なものだったんだなぁと感じます。

現在の配送業者さんの大変さを思うと
なんでもかんでも通販を頼むことできませんが、
大好きな花とそれに関わる方々のことを(素人ながら勝手に)考えると
どうにか花を求めたいなという気持ちになります。
早く普通にお花が買いに行ける世の中になりますように。(byM)



 

鎌倉と、




南印度派


先月末の引っ越しも無事終わり、新アトリエにも徐々に慣れてきました。

時節柄、アトリエ周りをパトロールする訳にも行かない為、
もっぱら自粛モードで過ごしてはおりますが、
先日は、道すがら通りかかったカレー店のテイクアウトで気分転換を。

鎌倉界隈にはインドカレーのお店は割と多くあるのですが、
そのほとんどは濃厚なお味の北インドカレー店。

でもこちらは北インドに比べると、あっさり目の印象な南インドカレーの専門店!

年齢的にも現在は南インド寄りな自分にとっては、大変有り難いお店でございましたね。

コロナ自粛が落ち着いて平和な世の中になったら足繁く通うお店になりそうな予感!!




ときどき茶話、




猫面完成


我が家のマスクの在庫もカウントダウンが始まってきたこともあり、
カミさんが手作りマスク制作に乗り出しました。

Vol.30でお話したあの生地で、ようやく完成したネコマスク。

服飾学科卒だけあって思った以上(失礼!)にしっかりした出来。

次はタイガーマスク希望~W。。

 

活けラジ

脱線しまくり!?「花と」のところでおしゃべりしているCHAJINさんと、編集者Mとの花トークラジオ「活けラジ」やってます。

「迷わず活けよ、活ければわかるさ!」youtubeで 「vol.12」 配信中  vol.1から聴きたい、という人はこちら





プロフィール

CHAJIN/チャジン






フラワーアーティスト。
ORIGINAL FLOWER STYLE CHAJIN 主宰。

暮らしまわりの雑貨と季節の花を合わせ、個性的でありながらもカジュアルな花あしらい、存在感あるリースの作品が得意技。
雑誌や広告の花活け、店舗や温泉宿のディスプレイ、展示会の花活けの他、
鎌倉のアトリエや、池袋コミュニティカレッジ、NHKカルチャー青山教室、NHKカルチャー横浜ランドマーク教室、二子玉川高島屋S.C教室ほか、都内各所で開催中の花教室も人気。
著書に『きょうの花活け』(誠文堂新光社刊)、『花活けのココロ』(主婦と生活社刊)、
『小さな花あしらいと12ヶ月の花の話』、『季節の花でつくる12ヶ月のリース』(ともに芸文社刊)がある。
紅茶好きでプロレス好きで愛猫家。鎌倉在住。 

インスタグラム instagram.com/chajin_eye


これまでのお話はこちら


 
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この記事のライター

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「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。

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