ローラン流 季節の花あそび vol.26 初夏のワインカラーブーケ
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.26 初夏のワインカラーブーケ
今回も、バラが主役のブーケを紹介します。
前回のvol.25 バラの季節を楽しむブーケは、ピンク色の濃淡をメインに、フリル状のサブ花材を合わせるなどして明るく可愛らしい雰囲気にまとめました。
今回は、フランスの伝統色で、赤みがかった紫を表すリ・ドゥ・ヴァンをテーマに、落ち着いたイメージに仕上げています。
リ・ドゥ・ヴァンとは、フランス語で「ワインの底にたまった澱(オリ)」のこと。ワインレッドよりもややくすんだようなニュアンスのある色みを指します。
バラは、淡い紫の‘バウンティウェイ+’、ベージュの花弁に混じるグリーンとピンクの淡いトーンが美しい‘シュエルヴァーズ’、ピンクベージュの‘シャリテトワ’の3種をセレクト。
どれも、お気に入りのバラたちです。
これらをどう美しく表現しようかと考えたとき、まさにリ・ドゥ・ヴァンのイメージの色のクリスマスローズと、ライラックを市場で偶然みつけ、ブーケのテーマが決まりました。
濃い紫から淡い紫、ピンクへと色をつなげ、全体をモノトーンでまとめています。
ボール状の花が魅力のオオデマリは、ライムグリーンからだんだんと白く変わる色の変化が楽しめる初夏の花材です。
枝状の茎がバラの重みをしっかりと支えて固定してくれるため、クッションの役割も果たします。
葉の色や形も美しいオオデマリ。
葉も効果的に見せるように束ねましょう。
初夏の風を感じるような爽やかな印象がブーケに加わります。
flower&green
花材/バラ(バウンティウェイ+、シュエルヴァーズ、シャリテトワ)、クリスマスローズ、ライラック、オオデマリ、アストランチア、ゼラニウム
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
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プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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