ローラン流 季節の花あそび vol.27 アジサイの美しさを魅せるアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
これまでの連載はこちら
vol.27 アジサイの美しさを魅せるアレンジメント
日本でアジサイといえば梅雨のイメージがありますが、フランスのブルターニュ地方では盛夏の花として親しまれています。
普段はサブの花材として空間を埋めるために使うことの多いアジサイですが、今回は色の美しいものを数種類組み合わせ、季節のアジサイが主役のアレンジメントを作りました。
アジサイは、アトリエの花壇に咲いていたものと、市場で仕入れたヤマアジサイを組み合わせています。
花壇に咲いていたものは、日に焼けて赤みがかっているものをセレクト。自然なアンティークカラーに惹かれました。
色づく前のほんのりグリーンがかった白いアジサイから、フレッシュな水色、青、紫、アンティークカラーへの色のグラデーションで構成しています。
アジサイの色と形だけで十分に存在感があるため、ほかの花を足したくなるところをぐっとこらえ、合わせるサブ花材は最小限に。
ブラックベリーは、アンティークカラーのアジサイの色につながるような、色づき始めたものを選んでいます。艶のある質感が全体のアクセント。
細いグレーの花茎の先に咲く、濃い赤紫の花が可愛らしいペラルゴニウム・シドイデスは、鉢物をカットして使いました。
花は小さいですが、動きとインパクトがあるため、丸い形のアジサイの中に入れると奥行きと立体感が出せます。
葉物は、みずみずしいナナカマドで涼感を演出。
アンティークの花器のデザインを美しく見せることを意識し、色と形のバランスを考えながらアジサイでしっかりアウトラインを作ることが重要です。
flower&green
花材/アジサイ、ブラックベリー、ペラルゴニウム・シドイデス、ナナカマド
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
ローラン・ボーニッシュさんの世界観を存分に堪能したい!
自身初の作品集『Jeux de fleurs』をご覧ください。
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
- すてき 0
- クリップ
この記事のライター
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。