ローラン流 季節の花あそび vol.28 夏のバラのガーデンスタイルアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.28 夏のバラのガーデンスタイルアレンジメント
すっと伸びた茎の先に、淡いブラウンからミルクティーのような色みの花を咲かせるバラ‘ジュリア’。
ウェーブがかった花弁もアンティークな雰囲気で、人気のある品種です。
今回は、花材の種類を抑えたナチュラルな印象のアレンジメントで、このバラの美さを魅せます。
合わせる花材は白とグリーンを中心にし、ジュリアの色を引き立てます。
自然な錆の色がジュリアの色に同調する、黒い鉄製の平らな器にアレンジ。
高さは出さすに、コンパクトな空間の中でジュリアの世界観を表現しました。
器にセットしたフローラルフォームの上には枯葉を散らし、アジサイなど面積のある花材を最初に挿してから、ジュリアや他の花材を重ねるようなイメージで配置します。
ジュリアは、細い茎の美さも魅力です。その表情を見せることを意識して、ある程度の長さを出してアレンジしましょう。
花の向きはランダムに、全体に散らばるようにし、グリーンの中で自然の風に吹かれ、そよいでいるような雰囲気に仕上げます。
ジュリアは開花が早いため、閉じた状態で挿しても翌日には開いてしまいます。
アレンジをする際には開花したときのスペースを考慮し、その姿を想像しながら進めることも重要です。
花持ちの期間は短いですが、開ききったときに見せる、花芯のオレンジ色も美しいバラです。
flower&green
バラ‘ジュリア’、アジサイ、セダム、レースフラワー‘ダウカスロビン’、クチナシ、ブラックベリー、シレネ・ブルガリス、リョウブ、ヒメミズキ、エノコログサ、コバンソウ(ドライ)、アストランチア、シンゴジウム、枯葉
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
ローラン・ボーニッシュさんプロデュース
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まもなく発売開始です。植物生活で発表しますのでお楽しみに
ローラン・ボーニッシュさんの世界観を存分に堪能したい!
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プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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