ローラン流 季節の花あそび vol.33 Jardin dans la maison |庭の春を家で楽しむアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.33 Jardin dans la maison |庭の春を家で楽しむアレンジメント
まだ冬の寒さが厳しい季節ですが、自然の中では少しずつ春の準備がはじまっています。
今回は、待ち遠しい春の雰囲気を家の中に取り入れるアレンジメントです。
ナチュラルでありながらも華やかな雰囲気を持つパンジーを主役に、初春の庭に育つような植物を合わせ、小瓶に入れて飾ります。
パンジーは、切り花のパンジー生産で名高い群馬県「みやび花園」が栽培する3品種を使用。
パープルの濃淡を中心に色みが豊富で華やかなフリル咲きの‘粋’を最初にセレクト。
その色から引っ張って残り2種類のパンジー、淡いピンクの‘ハルウララ’と、淡いイエローからオレンジの‘アプリコットシェード’を選びました。
ここに、寒さで葉が色づいたミントや、かたい蕾をつけたアカシアなど、冬と春を橋渡しする材料を合わせています。
小瓶を花器として使うと、フローラルフォームよりずっと手軽にアレンジが楽しめます。
水を入れた瓶を古道具の天板に並べ、瓶の間のスペースに高低差をつけてコケウメを配置し、枝同士を絡ませて固定します。
ミントと銀葉アカシア・プルプレアを瓶に投げ入れて全体の形を決めたら、パンジーやその他の花を全体の色や形のバランスを見ながら加えていきます。
四方見のアレンジメントなので、パンジーは花の向きをよく見ながら、一定方向を向かないように配置します。
アレンジメントの高さはパンジーに揃えて低めにし、まだ浅い春の庭の一角を切り取ったような雰囲気に。
瓶は家にある空き瓶でOK。
今回は、茶色とクリアの2種類で変化をつけました。
瓶の中に透けて見えるアカシアの蕾も楽しいアクセントになります。
flower&green
花材/パンジー(粋、ハルウララ、アプリコットシェード)、コケウメ、ミント3種類、銀葉アカシア・プルプレア、ワスレナグサ、ツルバキア、クリスマスローズ
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
ローラン・ボーニッシュさんの世界観を存分に堪能したい!
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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