ローラン流 季節の花あそび vol.36 Harmonie du printemps couleurs bordeaux | 春の花のパニエ ボルドー色のハーモニー
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.36 Harmonie du printemps couleurs bordeaux 春の花のパニエ ボルドー色のハーモニー
クリスマスローズは大好きな花の一つです。色や花形は多彩で、各品種ごとに魅力があります。
今回は、華麗で重厚感のあるボルドー色に惹かれて‘氷の薔薇’をセレクト。
ここから色をつなげて、カマイユ配色で仕上げたアレンジメントです。
カマイユ配色とは、色相やトーンがほぼ同じ色同士の配色のことを指します。
ここでは、クリスマスローズ‘氷の薔薇’と同じボルドーカラーのチューリップやラナンキュラス、スイートピーなど春の花を集めました。
サブの花材のレースフラワーも同色、アイビーも葉の色が紫がかったものを選んで統一感を持たせています。
春の庭をイメージして、ナチュラルな風合いのハンドメイド風のパニエ(バスケット)にアレンジします。
フローラルフォームをセットしたら、パニエの隙間を埋めるようにアイビーやガマズミを配置し、メインとなる花をミックスで挿していきます。
色を塊で見せるため、高さを抑えた四方見のデザインに。
個性的な八重咲きのチューリップは、飾っているうちに茎が伸びて成長し、花が開くことを考え、そのスペースを確保して配置します。
花が成長すると動きが出て、アレンジメントの表情が変わります。
スイートピーなど春の花の軽やかさを見せるため、風が通る空間も意識しましょう。
エアリーでナチュラルな印象のレースフラワーも、ボルドー色の‘ダウカスボルドー’ならシックなイメージ。
すっと伸びた枝と針葉樹のような葉、ピンク色の小花をたくさん咲かせるエリカは、カマイユ配色のアクセントになります。
同じ色みの中で、微妙にトーンや質感が異なる春の花の表情を楽しめるアレンジメントです。
flower&green
クリスマスローズ‘氷の薔薇’、チューリップ(パルミラ、パロットナイト)、レースフラワー‘ダウカスボルドー’、スイートピー、ラナンキュラス(藍の調べ、ほか1種)、エリカ、アストランチア、アイビー、ガマズミ
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
ローラン・ボーニッシュさんの世界観を存分に堪能したい!
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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