サカタのタネ|トルコギキョウの新品種を開発|冷蔵処理・冷房育苗不要のロゼットレスタイプを発表
八重咲の無花粉型などのトルコギキョウを開発し始めて50年以上の歴史を持つ株式会社サカタのタネは、ロゼットを起こしにくいロゼットレスタイプの品種を発表しました。
ロゼットとは
ロゼットとは節間が短くなり茎に葉が重なる状態のことで、草丈が低く茎も柔らかくなり切り花としての品質が劣化する現象。
同社ではイスラエルYissum社の特許技術を利用し、遺伝子組み換えではない交雑法で、ロゼットレスタイプを開発しました。
トルコギキョウは、初夏から秋口の高温期における播種・育苗を行う場合、ロゼット化を防ぐため種子冷蔵、苗冷蔵、冷房育苗用の冷蔵・空調設備が必要。
このためトルコギキョウの生産には、高額な設備投資が必要で、参入のハードルが高いといわれています。
ロゼットレスタイプの品種であれば、東南アジアなどの亜熱帯地域でも、特別な施設を必要とせず、生育管理を省力化して栽培できるため生産がしやすくなります。
メリットは、エネルギーコストの削減、2番花の収穫、ロゼットを打破する薬剤の使用が必要なくなることにより、生産コストを抑えられること。
国内市場への導入は未定ですが、1年後の海外展開を目指して試験をすすめているそうです。
トルコギキョウは、オランダ市場での販売金額(2020年)はバラ、キク、チューリップ、ユリ、ガーベラに続く6番目。
大輪の豪華なフリンジタイプのトルコギキョウなどが、夏季のバラに代わる花としてマーケットシェアの拡大を期待されています。
左が従来品種、右がロゼットレスタイプ。2022年2月21日播種、7月5日サカタのタネ本社で撮影。千葉大学環境健康フィールド科学センターと共同で試験を実施。
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植物生活編集部
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