jardin nostalgique jardin nostalgique 2022/08/11

ヒマワリのブーケ ゴーギャンに思いを馳せて

こんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。

お店は8月8日の営業をもって、夏期休業に入りました。

今年の上半期も振り返ればあっという間。

正月から玄関に飾っているトラちゃんの起き上がりこぼしも

風景としてすっかり馴染んでいるのも納得。

もうあと少ししたらウサギさんが追いかけてきますが、

ここに馴染んだトラちゃんの居場所は残しておいてあげたいなーと思っています。
 

夏休み前にとお花を買いに来てくれる皆様のやさしさのおかげで、

お店のお花も良い感じになくなって、

段ボールひと箱分のお花を実家に送って花瓶は空に。

鉢植え達は店内では日が当たらないので、

タカさんが埼玉の実家に運んで、

緑の指を持つタカさんのお母様に管理してもらいます。

夏期休業を終えるとぐんと成長している鉢植え達を見て、

植物ってすごいなーと思うとともに、お母様に感謝でいっぱいなのでした。


 

今年の夏は6月下旬からずっと暑かったのがあって、

その時に決めた7月~8月のレッスンのテーマたちは、

暑さ対策とばかりにエキゾチックなものが立て続けになりました。

今回のコラムでは、2つの夏のブーケのうちの1つをご紹介します。

毎年恒例、夏のヒマワリのブーケです。

 

季節ごとに定番のお花は毎年レッスンのテーマにしていますが、

毎回過去にはやっていないイメージでご提案したいなーと思っています。

昨年のヒマワリのブーケは、淡く柔らかな印象でおまとめしたので、

今回のヒマワリのブーケは少しビビッドにしたいなーと思ったことと、

花持ちの良いエキゾチックなお花を合わせることを念頭に置いて

もくもくと考えてたどり着いたテーマは、「ゴーギャンの楽園」!


 

過去のテーマでも、よく絵画を題材にしていますが、

自分自身が絵画好きなのがあって、

ブーケのイメージを考えようー!と思う時に、ヒントを求めてまずはたくさんの絵画の本を眺めます。

展示会に行った時に買った画集だったり、

芸術の歴史の教科書のようなものだったりいろいろ。

ぐっと集中して1冊を読み切るのではなく、

たくさんの本に目を通しては気分に引っかかるところをピックアップして見ていくので、本棚にしまった本がみるみる床に散らかっていきます

(散らかる原因は1冊ずつもとの場所に戻さないことなんだ!と、書いていて気付きましたが)。


 

季節、心境を反映するように気になる絵画も変わり、面白いもので散らかした分、ちゃんと心に響く画家、絵画に出会えます。


 

今回はとある画集から、ゴーギャンの絵画とその一生を読んだことにより、

自分の思い描いたブーケがそこにピタリとはまる感覚がありました。


 

商業主義できらびやかなパリの生活に嫌気がさして、

原始的でエキゾチックなタヒチの生活を好んだゴーギャン。

ゴーギャンが憧れの南国で見て驚いたのではないかなーなんて想像できるような

形が面白くて見慣れないお花をたくさん集めてみることにしました。


 

また、ゴーギャンといえばゴッホとの共同生活も有名ですね。

ゴッホはゴーギャンを迎えるために、歓迎の気持ちとしてたくさんのヒマワリの絵を描いたそうですが、その生活も長くは続かず、仲違いして終わってしまったのでした。


 

そんなストーリーもありますが、

自分の中で今回ゴーギャンとヒマワリが強烈に結びついたのは、

ゴーギャンがタヒチで描いたヒマワリの絵を見たことでした。

自分が読んだ解説によると、ゴーギャンはわざわざタヒチまでヒマワリの種を取り寄せ、栽培し、描いたいうことです。

それを読んで、ゴッホとゴーギャンの間にはしっかりとした信頼関係、友情があって、少なくともゴーギャンは、二人で過ごした時の記憶を思い出したい瞬間があったんだなーと思いました。
本当は互いを尊敬しあっていたのかな、と、勝手に良い方向に想像したくなってしまいます。

 

ゴーギャンにとっても、きっとヒマワリは特別なお花。

そんなヒマワリと、楽園のお花のコラボレーションです。

色味を考える時には、ゴーギャンの絵画の印象をまとめて、

「鮮やかだけど深く、コクのある感じ」を意識してみました。

旅行で「わーい!タヒチに行くぞー!!」というキラキラした気分の場合はもっと明るいトーンになるのかなと思いますが、

ゴーギャンにとってはパリでの生活が窮屈で苦しくて、渇望するようにタヒチに赴いたことや、タヒチでの生活も困窮していたことなどを知り、それ故のしっとり落ち着いた色彩なのかなーと、かなり自分勝手に解釈しています。


 

また、花合わせも、後期印象派のゴーギャンの特徴として、

印象派のような細かい筆跡がなくなり、輪郭の中をベタッと同じ色で塗りつぶすような表現を感じ(七宝焼きのような表現で、クロワゾニズムというそうです)、

草花などの細かいお花の重なりをなくして、比較的単色の大きなお花で構成するようにしてみました。


 

束ねる際は、ゴーギャンの絵画のような平面的な広がりを意識して、

高さよりも広がりを作りつつ、

エキゾチックなお花の個性がわかる程度の凹凸をつけて束ねてみました。

広がりのあるグリーンは思いっきり広げて。

このように、絵画をテーマにブーケで表現していくことは、

色選び、花選び、束ね方など、いろいろなアイデアを与えてくれます。

知れば知るほど、理解も深まりますが、

単純に自分の第一印象や主観や感想も交えてあげることで、よりオリジナルになるような気もして意識しています。
 

その絵画のことをよく知っている方が、

納得したり、えー!違うー!と思ったりして

それぞれの解釈を表現して教えてくれるのも嬉しいし、

知らない方が、自分の解釈を基にブーケ作りを経験したのちに、

いつか未来でその絵画を見た時、この時間を思い出してくれたりしたらとっても面白いなーと思います。


なんだか絵画をはじめとした芸術にはイメージをもらってばかり。
やっぱりアーティストはすごい!と、思ってしまいますが、

花故の、自分故のブーケっていうものももっと作っていきたいなーって思う時に、

あまり参考にすることの無い、
すっごい漠然としたテーマの表現も面白いかなーと思っています。

画家が目にみえるものを描くことから解放されたように、
喜び、とか、感謝、とか、誰かの見た目じゃなくてイメージとか今の気分とか・・・。


 

あ、それっていつも皆様のオーダーでお作りしているお花だ!と気づいたら、

日々のブーケを1つ1つの作品を作るように丁寧にご提案していくことが自分故の花づくりにつながるのかなーと思いました。


 

そんなこんな、徒然なるままなコラムになってしまいました。

お店のお休み中もまた、コラム更新しますねー。

  • すてき 2
  • クリップ
  • 埋め込み

この記事をシェアするには埋め込みコードをコピーしてSNSやブログに貼り付けてください。

この記事のライター

jardin nostalgique
jardin nostalgique

ジャルダン ノスタルジック、2012年にオープンした東京・神楽坂にあるフローリストの青江、フローリスト/パティシエの加藤が経営する花店。おもちゃ箱をひっくりかえしたような、懐かしくてわくわくするお店づくりをコンセプトにした店内には、青江・加藤が選んだ季節の花とともに、焼き菓子、ハーブティーや花器、フランスのブロカントなどの雑貨が所狭しと並んでいる。土日の15時からは店内の一角でカフェも営業中。

直近の記事

関連記事