ローラン流 季節の花あそび vol.40 Tableau baroque de tournesols |バロック絵画のような夏のヒマワリアレンジメント
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
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vol.40 Tableau baroque de tournesols
バロック絵画のような夏のヒマワリアレンジメント
「太陽王」と呼ばれるルイ14世も好んだというヒマワリの花を、アンティークの重量感のある鋳物花器にアレンジしました。
バロック調の絵画をイメージし、光と影とダイナミックさを表現した作品です。
フランスでのヒマワリといって浮かぶのは、夏の田舎の広大なヒマワリ畑の風景。
畑のヒマワリは太陽に向かってすべて同じ方向に咲きますが、今回は、顔をさまざまな方向に向けて自由な動きを出し、想像の中の風景としてヒマワリをアレンジしました。
ヒマワリは咲き方や色の異なる品種を5種類をセレクト。
黄色からオレンジ、ブラウンへと色をつなげるイメージで合わせました。
合わせるサブ花材は、自然の中で育つ夏っぽい印象のものを選んでいます。
ヒマワリに似た形のヘリニウムやコレオプシス、ヘリクリサムのほか、ビーズや宝石ように輝く半透明の赤スグリと黒スグリ、スカビオサ・ステンクーゲルなど、ヒマワリの存在感に負けない個性のあるものを混ぜました。
花器にフローラルフォームをセットしたら、最初にスグリを6~7本を挿し、アウトラインをつくります。
葉も美しいスグリは、グリーンとしての役割も果たします。
アレンジメントの大きさを決めたら、スグリの間にヒマワリを立体感が出るように配置します。
このとき、向きに注意しましょう。
ヒマワリの顔をすべて真正面に向くように挿すと、揃いすぎて不自然な印象になります。
そのため、あちらこちらに向けて配置することが重要です。
花の大きいもの、小さいものを高低差をつけてランダムに。
つぼみや咲きかけのものを混ぜると動きが出て単調な印象にはならず、雰囲気を出すことができます。
そのほかの小花類は、スグリとヒマワリの間に表情を見極めながら挿しましょう。
乾いたテクスチャーを持つヘリクリサムのピンクが、アクセントになります。
スグリを盛ったプレートをサイドに置けば目先が変わり、涼を感じさせる空間演出になります。
flower&green
花材/ヒマワリ(サンリッチライチ、サンリッチマロン、ゴッホのヒマワリ、クラレット、プロカットレッド)、スグリ(赤、黒)、アキレア、ヘレニウム、コレオプレシス‘サマーナイト’、スカビオサ(実)、スカビオサ・ステルンクーゲル、ミント、リョウブ、ヘリクリサム
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
ローラン・ボーニッシュさんの世界観を存分に堪能したい!
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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