ドライやアーティフィシャルフラワーを活用した、お花屋さん視点で提案する|商品としてのフラワーデザイン
ディスプレイ商材の製造、販売の専門企業として信頼厚い株式会社ポピーが運営する「横浜ディスプレイミュージアム」。
あらゆるアイテムが並ぶ、売場面積約1000坪を誇る広々とした店内にて、人気フラワーアーティストが装飾を提案する企画の第3弾。
シリーズ第3弾となる今回のテーマは「お花屋さん視点での実用的・売れるフラワーデザイン」。
取り組んだのは、東京都世田谷区下北沢にもほど近い池ノ上で花店「marmelo」(マルメロ)を営む小野寺千絵さん。
現代のライフスタイルをテーマに、スタイリストが 厳選したディスプレイアイテムが展示販売されて いるエリアも。キッチンウェア、インテリア雑貨、家具・ 照明など、新生活必需品が揃いそうな充実度だ。 年数回ヨーロッパから直輸入している雑貨も必見。 ここにしかないアイテムに出合えるかも。
アンティーク風雑貨も目移りするほど
撮影スタジオの空間に映える、秋をイメージしたテーブルコーディネートと小さなオブジェの2作品を提案してくださった。
「じつは今回初めて横浜ディスプレイミュージアムさんにお伺いしましたが、商品数の多さにびっくりしました。東京だとこれはこのお店で、あれは違うお店で……とお店を回っているのですが、こちらだとそれが全部揃っていて。花材以外にも、今回撮影で使わせていただいたようないろいろな資材やインテリアがありますし、楽しいですね」
その小野寺さんの言葉通り、ここ横浜ディスプレイミュージアムでは作品に使用する素材以外にも、作品をよりよく魅せるためのコーディネートアイテムも豊富。
花器をはじめとした花回りの資材はもちろんのこと、食器やカトラリーなどのキッチン用品、海外から選りすぐって取り寄せたハイクオリティな雑貨の数々など、空間ディスプレイに役立つアイテムが目白押し。
真剣に素材を選ぶ小野寺さん。1階ブロカ ント売り場にはボックスやブックケース、フ レーム、フラワーベースなどいろいろなアイ テムが、シンプルからデコラティブまで多 様なテイストで揃う。そのほか地球儀や鳥 籠、動物のオブジェ、棚、椅子など、空間演 出に好適な大小さまざまなアイテムもあり、 見ているだけでもワクワクする。
今回の撮影空間をコーディネートするためのアイテムも、多くを売り場からセレクトした。
作品制作にかんしては「こちらでナチュラルカラーのソラフラワーを見つけて、すごくいい!と思ったんです。普段は市場の資材店で仕入れることが多いのですが、ソラフラワーは色のついたものという印象だったので。ナチュラルな色合いだとまたイメージが変わりますね」。
そのナチュラルカラーのソラフラワーを主役に、アーティフィシャルフラワーとドライフラワーを織り混ぜながら、スタジオのインテリアの色みと雰囲気に合う、柔らかく軽やかな秋色のテーブルコーディネートに仕上げた。
空間、インテリアのテイストと空気感に合わせて制作した「秋のテーブルコーディネート」。オブ ジェは3つのパーツに分かれていて、オーナメントのフレームを土台にして作っているのでそれぞれ独立した壁掛けとしても飾ることができる。パーティーが終わったらお客様にひとつずつプレゼン ト......なんていう演出もできそうで、柔軟な提案 が可能なデザインだ。背が低く、視線と動線を邪 魔しない、倒れる心配がないなど実用的な利点も。
ベージュ、オフホワイトを基調に、 随所に白を差し込んで全体的な色がくすみすぎないよう調整。白いルナリアシードのアーティフィシャル はシルクのような質感が美しく、ドライと比較して強靭なので崩れてしまう心配なく使えるのもメリット。
もうひとつは、両掌で包み込めるほど小さなオブジェ。
「秋らしい木の実を使おうと決めて、その形から連想して丸い花や素材を集めたデザインを思いつきました。優しくて、ブラウンが映えそうな色合いでまとめて。イベントなどで売ってもよさそうだと思います」というように、キャッチーな丸いフォルムに加えて、小さく軽量、水も不要で運搬便利と、イベント販売に向きそうな要素を備えた作品になっている。
木の実を発想の起点とした、丸いフォルムを重ねた小さなアレンジメントの提案。ころころと愛らしく、優しい色合わせに木の実のブラウンが 映える。アレンジを乗せたゴールドのフレームは花器の一部を活用した もので、2段目左にあるアレンジ作品の細長い透明の器が、花器の本体。 ここでは分けて使うことでディスプレイとして力を発揮している。作品 の形や空間に合わせたアイテムをあしらい、作品をより魅力的に見せる 演出に。下段のイミテーションの洋書も1階の売り場で扱っている。
ベルカップを器にして、そこに木の実やピンポンギクなどをボンドとワイヤーで固定。
色合わせを変えてバリエーションを作れば売り場が映え、選ぶ楽しみも提供できる。
装飾として置いた鏡がさらなるフォルムのリピートと奥行きを生み出し、空間に面白みを加えている。
モダン花器はスタイリストが厳選
明るく広く、心地よくセレクトができる店内。
大きなショッピングカートもあり、重 いものやかさ張るものも苦なく運べて見て回れるので快適だ。
手前のフェイクフルーツやパンは質が高く、空間演出の脇役として密かに人気のアイテムだとか。
色・形・サイズあらゆるドライフラワー、プリザーブドフラワーが集結する2階売り場。
わかりやすく見やすい配置で選びやすい。
ソラフラワーも充実のラインアップ。
ナチュラルカラーのものは専 用の着色液で色をつけるなど、独自のアレンジも可能だ。
「ここは商品が豊富なことに加えて、ディスプレイの提案があるのもいいですね。何も思いつかないときも、ここに来ればいいアイデアが浮かびそうです」と感想をくださった。撮影後にも店舗をつぶさに見て回っていた。
インターネット上のバーチャル店舗でもリアル店舗を歩くように売り場を見ることができるので、来店されたことがない人は体験してみてはいかがだろう。
https://www.displaymuseum.co.jp/vfloor/
ディスプレイに使ったピックアップ素材
ルナリアシード
norns
グラスペディア
ミニハンギングベリーピック
ブックケースファーン
ブックケースレザー
詳しいお問い合わせは
横浜ディスプレイミュージアム
お問い合わせはウェブサイトまたは 電話にて承っております。TEL:045-441-3933
(営業時間:平日 10 : 0 0 ~ 17 : 3 0 )
https://www.displaymuseum.co.jp/
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話をうかがった人
marmelo マルメロ
東京都世田谷区代沢2-36-30廣井ビル1F
https://www.marmelo-flower.com/
Instagram @marmelo.flower
photo:Tomoyuki Sasaki text:Masako Tagawa
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この記事のライター
植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。