ローラン流 季節の花あそび vol.42 Bouquet d’automne comme un vitrail couleur bronze |深まる秋の色彩を集めて、ブロンズカラーのブーケ
人気フランス人フラワーデザイナー、ローラン・ボーニッシュさんによる、旬の花や植物素材を使ったブーケとアレンジメントの提案。
洗練された花合わせ、色使いのアイデアをお伝えします。
これまでの連載はこちら
vol.42 Bouquet d’automne comme un vitrail couleur bronze
深まる秋の色彩を集めて、ブロンズカラーのブーケ
秋のブーケといえば、野原を散歩しながら集めたような花やグリーン、枝物、実ものをたっぷり使うブーケ・シャンペートルが私にとっては定番。
これまでも、いくつかご紹介してきました。
>> vol.19 秋の終わりのシャンペートル・ブーケ
>> vol.30 可憐な小花で魅せるブーケ・シャンペートル
今回は趣向を変えて、デコラティブに。
多種多色の秋の花材を組み合わせ、こっくりとした深みのあるブロンズカラーのブーケを制作しました。
テーマであるブロンズカラーは、多彩な色や質感のミックスで表現します。花材は、遠くから見てこの色になるようにセレクト。
主役の花は決めずに、キクや染めのケイトウ、枝物、光に透けると金色に見えるエノコログサ、ニュアンスカラーのバラなどを集めています。
赤、黄色、オレンジ、茶色、ピンク、グリーン、ベージュと複雑な色合わせのなかで、微妙な配色や配置、花材のボリュームを調整させることでどれか一つが強調されることなく、カラーバランスを保てるように考えました。
丸い花が多いため、花同士がぶつかって潰れることがないよう、気を配る必要があります。クッションのグリーンは、手元にしっかり入れて、花の姿はきちんと見せるように高低差をつけて束ねましょう。
色も質感も“濃い”花が多いので、それに合わせて染めのユキヤナギやアメリカテマリシモツケ‘ディアボロ’、紅葉ヒペリカムなど、葉物や枝物も少し主張のあるものを使用しています。
キクは目立ちすぎないように奥に沈めて入れ、その周辺にジニアやアストランチアなどの小花は数本、少し高さを出して入れると奥行きが生まれ、動きが出ます。
シックな色の染めのケイトウは一見、地味に見えますが、そのビロードのような独特の質感で、ブーケ全体に落ち着きをもたらしてくれます。
色ガラスの小片を組み合わせて絵や模様を作り出すステンドグラスのような、雰囲気のある秋のブーケです。
flower&green
花材/キク(カラフラリア、ヘッジホッグイエロー)、バラ‘ジュリア’、ジニア、ヒマワリ、エキナセア、ベルペロン、アストランチア、ケイトウ(染め)、クレマチスシード、シンフォリカルポス、ユキヤナギ(染め)、秋色ヒペリカム、アメリカテマリシモツケ‘ディアボロ’、エノコログサ
撮影/山家 学 取材/植物生活編集部
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作品集『Jeux de fleurs』も、ご覧ください。
プロフィール
Laurent Borniche(ローラン・ボーニッシュ)
フラワーデザイナー、Laurent.B Bouquetier 代表。
フランス・パリ郊外、ブーローニュの森に隣接する高級住宅地ヌイイ市の花店の4代目。エコール・デ・フルーリスト・ドゥ・パリ卒業後、パリの老舗花店等で研鑽を積み、母校派遣講師として1998年に来日。2014年、東京・田園調布にデザインアトリエ「Laurent.B Bouquetier( ローラン・べー・ブーケティエ)」を設立。著書に『ローラン・ボーニッシュのブーケレッスン new edition』『ローラン・ボーニッシュのフレンチスタイルの花贈り』『Jeux de fleurs』(以上誠文堂新光社刊)がある。
https://www.laurentb-bouquetier.com/
(c)Kenji Kusakabe
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この記事のライター
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