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~ズン チャッ チャ~ 3拍子で束ねるエアリーなブーケ 

みなさんこんにちは!jardin nostalgiqueの青江です。

3月になり、ちらほら桜の開花のニュースも目にするようになりましたね!

いよいよ春到来!


 

お店では卒業、送別用のお花のオーダーが例年以上に多く、

ここ数年コロナで自粛していたイベントが復活してきていることも感じています。

今年の春は、昨年、一昨年以上に気持ちにも春を運んでくれそうな予感ですね。


 

今日はそんな春の気分にピッタリな

エアリーなブーケを作ったブーケレッスンのご報告です。

年が明けてからのレッスンでは、お花をギュっと集めて束ねたブーケが続いたので、

2023年初のフワフワなブーケのご提案となりました。


 

そのタイトルは、

「3拍子で作るエアリーなブーケ ~お花のワルツ~」。
 

今までもエアリーなブーケをご提案したことがありましたが、

その作成にあたる説明をすればするほど

心が軽くなくなって、お花に自由な動きや表情を乗せづらいなーというのが

自分の中で課題でありました。

レッスンであるからには一定の説明をしなくてはならないのですが、

理論的になるほどみんなの顔が緊張して、

エアリーに濁点が付いたものになりがちなのでした。


 

人為的な創作として考え抜いて作るような、

正確で静かな美しさを魅力とするブーケに対して、

エアリーなブーケの魅力は、

思考を抜いて束ねるからこそできる

意図のないゆらぎや、ハプニング的な配置に

作成時のスピード感や、軽い空気感を含ませて

それぞれの花の持つ個性が独りでに輝きだすようなところかなと思います。
 

どうにかして説明を排除して軽いブーケを皆様にご紹介したい!

良く使うアドバイスは、「直感とリズム」なのですが、

そこでちょっとリズムのお勉強。
 

日ごろ耳にする音楽や、日常の中でできるリズムは

人間が二足歩行で左右対称な生き物だったり、心臓の鼓動だったりの影響から

2拍子、4拍子であることが多いとのこと。

多くの人にとって安定感、安心感のあるリズムなのではないでしょうか。


 

では、3拍子というリズムはというと、

人が回るようになってから出来たものらしく、
①踏み込み ② 回転 ③着地

という、この繰り返しが3拍子とのこと。

それ故に3拍子の曲を聴くと、どこかゆらぎや浮遊感を感じる印象を持ったり、

日常のリズムとは違うからこその軽快さやノスタルジックな印象を感じるようです。
 

ここで青江的新発見!

「ゆらぎ」や「軽さ」を表現したいエアリーなブーケに3拍子がピッタリなのでは!?と。

しかも・・・ブーケは回しながら作るもので、「回す」というキーワードも当てはまりました。

また、ブーケのように全体から見る立体的なものをつくっていく上でも、
左右、左右というイメージよりはそこに奥行きが入る3の倍数のリズムの方がよさそう。


 

これは面白い!

思い立ったら即、お店のお花を使って2、3、4拍子、それぞれのリズムで束ねていたのでした。

結果、2拍子では軽さが足りず、4拍子では1拍余る感覚があり、

閃きを証明するように3拍子のリズムがブーケ作りにピタッとはまったのでした。


 

そんなこんなで、今回のブーケレッスンの不思議なタイトルが決まり、

不思議さを打ち消すように、お花のワルツというワクワク感のあるサブタイトルを添えてみたのですが、

やはり不思議すぎるタイトルからか、動画レッスンのお申込みが少なく、

より多くの方に知ってもらおうと、ここに執筆している今があります。


 

青江的3拍子のエアリーなブーケ作りにおいては、

花選びの段階で既に頭の中に「ズン チャッ チャ」の3拍子を刻むところからスタートします。

3拍子の1拍目が踏み込みによる強いアクセント、
2拍目で軽く回って、3拍目で着地に近づくという回転のイメージや、
それぞれの拍の強弱をつかむには、
「ワン ツー スリー」よりも、「アン ドゥー トロワ」よりも、
「ズン チャッ チャ」という言葉が、自分は想像しやすいので。
ズンはズン!って感じるし、チャッはチャッ!って感じる!

頭でそのリズムを刻んだら、ズンという重たみのある花を選んで、
チャッ チャという軽いお花を選んで、それを繰り返していきます。
最終的には花材の約3分の1が重たげな「ズン」の花、3分の2が軽やかな「チャッ チャ」のお花となります。


 

花材準備の3拍子が終わったら、次は作成の3拍子。

ズンの花をズンと低く入れて、2拍目のチャッのお花を軽―く高く飛ばして、3拍目のチャのお花をズンの位置に着地させるように、ズンとチャッの間に遊ばせます。

その3拍子が出来たら、今度は

ブーケをズンとつかんで、チャッと回して、チャと手に収めましょう。

あとはただただこの繰り返し。

終盤に近付くにつれて、踊り慣れたお花に今までより強めの強弱をつけたり、

大きなズン チャッ チャの後で小さくズン チャッ チャしたりするうちに、

上から、横から見た輪郭にもリズムが出来ます。

いろいろな3拍子のリズムを刻んでいるうちに、いつの間にかお花とワルツを踊っている気分に・・・なるはず!


面白いのは、そのリズムの中で、

この色合い好きだなーとか、次は大きくズンチャッチャしようかなーとか、

閃きがあったとしたら、それが直感であって、

軽やかなリズムは視野を広げてくれて、それにより直感も生まれやすいのではないかなと思っています。

そんな、青江的3拍子のエアリーなブーケ作り。

レッスン会場では、

「このズンをもっとズンと!」

「これがチャッの花!?チャの花!?」

などなど、みんながズン チャッ チャと呪文のように唱えつつ、

お花とともに楽しいワルツを踊ってくれたのでした。


 

そんな中、「ズン チャッ チャを忘れたらきれいにできました!」

とのご意見もあり、ズコッとなった時もあったのですが、

感覚的なブーケ作りが性格に合う、合わないはもちろんあると思うので、

そんな反応も含めて楽しいレッスンとなったのでした。


 

スイトピーにラナンキュラス、チューリップにパンジーなど、

ひらひら、ふわふわ、伸び伸びな春のお花のシーズンもラストスパート。

ぜひ、3月の間に1度でも、

ズン チャッチャとお花とワルツを。。。
騙されたと思って、トライしてみてもらえたら幸いです。

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この記事のライター

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ジャルダン ノスタルジック、2012年にオープンした東京・神楽坂にあるフローリストの青江、フローリスト/パティシエの加藤が経営する花店。おもちゃ箱をひっくりかえしたような、懐かしくてわくわくするお店づくりをコンセプトにした店内には、青江・加藤が選んだ季節の花とともに、焼き菓子、ハーブティーや花器、フランスのブロカントなどの雑貨が所狭しと並んでいる。土日の15時からは店内の一角でカフェも営業中。

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