植物生活編集部 植物生活編集部 87ヶ月前

水が豊かな熊本県生まれのカラー

「火の国」なのに、水が豊かな熊本県生まれのカラー

 
カラーというお花をご存知ですか?
すらりと花姿がモダンでスタイリッシュな
雰囲気のお花です。
ディスプレーやウェディングでも人気ですね。
このカラーというお花、
普通のいわゆる「畑」で育てられるタイプと
湿地や池のような水が豊富な土地で育てられるタイプがあります。
水が豊富な熊本県で栽培しているカラーは後者の湿地性のタイプ。
ちなみに熊本県の水の豊富さは……、
水道資源の8割を地下水でまかなっているほどで、
地下水の水道資源の利用は全国一位!だそうです。
 
熊本県というと「火の国」ですが、「水の国」でもあるんですね。
そんな熊本県では、古くから湿地性のカラーの生産が続けられています。
 

 
1998年から、病気に強く、花もより美しいカラーを作ろうと、
熊本県農業研究センターが熊本県オリジナルのカラーの品種開発に
取り組んできました。
 
そして14年の月日をかけて生まれたのが
今回紹介するカラーの2品種。
ホワイトスワンホワイトトーチです!

 
2品種とも純白の花色!
2015年から、まだまだ多くはありませんが、
熊本県内で生産が始まっています。
 

 
ホワイトトーチ
聖火のトーチのようなすらりとしたフォルムが特徴。
茎が適度にスリムで、自宅に飾りやすそうなタイプです。
一方の品種
ホワイトスワン
白鳥の優美な姿のような華やかさが特長。
特に、花の内側がより白く、開くほどに美しさがアップします!
咲き終わりまで、花の形も崩れません。
 
ちなみに花と書きましたが、カラーの花と思われる(このホワイトスワンなら、白い部分)は
本当は仏炎苞(ぶつえんほう)と言います。
中心の黄色い棒のようなものが肉穂花序(にくすいかじょ)といい、
この肉穂花序についている黄色い小さなものが本来の花にあたります。
カラーの場合は、昔から仏炎苞の色や形が鑑賞対象になっているのです。

 
どちらの品種も、11月〜5月までの生産とのこと。
熊本県の名物といえば、すっかりくまモン!が有名ですが・・・
くまモン以上に、カラーもオススメです!
 
text & photo 月刊フローリスト 撮影/加藤達彦
 
 
Flower
カラー  学名:Zantedeschia aethiopica 
サトイモ科 オランダカイウ属
原産地 南アフリカ
国内の主な生産地 熊本県
 
教えてくれた植物生活プロ

櫻井純子 
琉球大学農学部生産環境学科亜熱帯動植物学講座昆虫学研究室卒業。東京・大田市場、フラワーオークションジャパン入社後、女性の切り花営業のパイオニアとして活躍。2002年青山フラワーマーケットを運営する株式会社パーク・コーポレーションへ入社。切り花や鉢物の仕入れ、フェア企画、物流など多岐にわたり手がける。2008年「Flow」設立。ライター、編集、生産地や花店、植栽などのアドバイザーとして活動中。

http://www.flow-jp.com/

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