花店インタビュー|風が通り抜ける坂道に現れた、 暮らしの花空間|Pitou
Pitou ピトゥ
ドアを開けると中央の生花に自然と目がいくレイアウト。ブルーグレーの壁に花や緑の色が映えます。
奥には店舗スペースと同等の広さのバックヤードがあります。
コンパクトな空間に心地よく花が並ぶピトゥは、
2017年5月に産声をあげたの花店です。
店主の柳原信教さんが長年勤めていた花店を辞めたのが1月。
独立のためというよりは、気持ちの区切りや自然な流れで退職を決めたとの事。
しかし、辞めてから2ヵ月ほどが経ち、ただただ思ったのは
「やっぱり花屋さん」ということだったそうです。
その想いに駆られ、開店をどことなく意識しつつ過ごすうちに出会ったのが今の店舗。
建物2階に位置しながらも道路に面しています。
グリーンの手すりが導くアプローチには植栽と
店の商品であるグリーンをうまく融合させ、歩道からも目を引く仕立てに。
店はかつて師事したパリのフローリストオリヴィエ・ピトゥさんへの敬意から命名。
言葉の響きと、フランス語なのに読みやすいスペルなのも考慮して決定しました。
風が通り抜ける緩やかな坂道、
そこから見える気持ちのよい景色に惹かれて心を決めました。
場所を決めてからは勢いと情熱で数ヵ月の準備で店をオープン。
ピトゥがあるのは兵庫県神戸市の山側、
坂と学校の多い住宅街にセンスのよいショップが散在するエリアで、
最寄りの阪急六甲駅までは徒歩3分。
ウインドーには巨大なフジヅル! 仲のよい仲卸さんからの開店祝いだそう。
力強い存在感に見入ってしまいます。
ドアを開けると涼やかなベルの音がお迎えしてくれます。
商品の主力は生花ですが、大小鉢物や雑貨、ドライフラワーも厳選して店に置いています。
小売りを中心に、ウェディングやイベント装花などを手がけたりも。
店の前を通るのはおもに地元の人か周囲の学校に勤める人。
それらを考慮して店で扱うのは「より家に飾りやすい花」。
持ちがよく扱いやすくて、それでいてちょっと珍しいような花揃えを重視しています。
そのため週3~4回は市場に足を運びます。
頻繁に市場に赴くことで思いもかけない植物との出会いもあり、
それが自身の楽しみでも店の個性でもあると柳原さん。
店のインテリアはアンティークを中心にコーディネート。
生花のメインディスプレーの支えはなんとアンティークのミルク缶!細かいところにも技アリ。
使い込まれた足場板と植物のツルをあしらった特注の作業台は、
インテリアとしても効果的。
レジ台兼用と作業用の2つがあり効率的な動きが可能に。 「花って生き物だから飽きません」
おだやかに話す柳原さんに会いに行くだけでも癒されそうな、暮らしの花の空間。
こんな花屋さんが近くにあったらきっと楽しい毎日になりそうです。
ピンクとパープルの宝石箱
ビビッドピンクと密度が魅力的なバラ‘ナギサウェーブ’が主役の色調。シンゴニウムの質感、ナズナやベロニカのラインも生かして。
Flower&Green
バラ‘ナギサウェーブ’トルコギキョウ
ベロニカ
アジサイ
ナデシコ‘テマリソウ’
ヤマホロシ
ナズナ
シンゴニウム
エミューファン
1.アレンジメントは基本的に包みを外して飾ってもらうという考えなので、
クラフト紙でざっくりと程よく包装。
2.商品に付けるショップタグは小さな正方形。
店の想いをつづったカードは飾りたくなるようなデザインで
思わず欲しくなってしまいます。
3.ラッピングペーパーは色みを厳選。
4.リボン代わりのコードはレジ後ろの棚に見せて収納。
ナチュラル+個性的なボックス
自然の中にあるような優しい賑わいをアレンジに凝縮した、生き生きとした世界観。
チョウジソウの実など花材選びに個性が宿ります。
Flower&Green
バラ‘エルヴァレンジ’ルドベキア
ニゲラ(花・実)
ミシマサイコ
アナベル
トウガラシ‘コニカルグリーン’
チョウジソウ(実)
ハス(実)
ドリコス・ルビームーン
リシマキア‘ファイアークラッカー’
柳原さんが選んだ店の壁色はブルーグレー。
緑が鮮やかに映えて花色も浮き立つうえに、
白い花など浅い色もはっきり見せてくれるという万能さ。お見事。
店主の柳原さんのフローリスト人生の出発点はパリ。
パリの花店で数年勤め、
帰国後は芦屋の人気花店「ジャック・デコ」で16年勤続しました。柔和な人柄。
text & photo 月刊フローリスト 撮影/福家信哉
うかがったお花屋さん
Pitou ピトゥ
兵庫県神戸市灘区山田町2-1-1
Facebook :Pitou fleuriste
instagram:@pitou_fleuriste
この記事のショップ
ピトゥがあるのは兵庫県神戸市の山側、
坂と学校の多い住宅街にセンスのよいショップが散在するエリアで、
最寄りの阪急六甲駅までは徒歩3分。
ドアを開けると中央の生花に自然と目がいくレイアウト。
ブルーグレーの壁に花や緑の色が映えます。
奥には店舗スペースと同等の広さのバックヤードがあります。
建物2階に位置しながらも道路に面しています。
グリーンの手すりが導くアプローチには植栽と
店の商品であるグリーンをうまく融合させ、歩道からも目を引く仕立てに。
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植物生活編集部
「植物生活」とは花や植物を中心とした情報をお届けするメディアです。 「NOTHING BUT FLOWERS」をコンセプトに専門的な花や植物の育てかた、飾り方、フラワーアート情報、園芸情報、アレンジメント、おすすめ花屋さん情報などを発信します。